FXレポート

続落のドル円、今週日銀会合はアップサイドリスクに警戒か

-前営業日サマリー-
 ドル円は129.20円でオープン。東京市場では、日銀の政策修正や米利上げペース緩和への思惑を背景に円買い・ドル売りが先行、週末の実質ゴトー日で仲値に向けては買い支えられるも上値は重たく129円を挟んで推移しました。欧州市場でも全般円買いの流れが継続、前日の米CPIの伸び鈍化を受けたドル売りも入る中で、128円台序盤まで押し込まれました。NY市場では、序盤に米株相場が軟調に推移するとリスクオフの円買い優勢に、ドル円は128円を割り込む動きをみせます。また、米ミシガン大消費者信頼感指数が予想上振れとなるも、併せて発表された期待インフレ率が2021年4月以来の低水準となるとドル売りを誘い、一時127.45円までおよそ8カ月ぶりの安値更新となりました。その後は米長期金利の動きに伴って小幅に戻し、127.87円で取引を終えました。

-続落のドル円、今週日銀会合はアップサイドリスクに警戒か-
 本日は英ベイリーBOE総裁発言が予定されているほか、米国が祝日休場となります。そして今週17-18日にはメインイベント・日銀金融政策決定会合が控えています。
 先週は「日銀、大規模金融緩和の副作用を検証」との一部報道を契機に、日銀の政策修正観測が再び過熱、円全面高の展開となりました。この記事自体はあくまで「観測」の域は出ないながらも、現時点で市場では昨年12月に微修正が行われたYCCの再修正や撤廃、さらに金利先物市場では今月会合でのマイナス金利脱却を織り込む動きまで見られています。前回のサプライズ発表によって、海外勢を中心に今回会合への警戒感・期待感がことさらに押し上げられている向きもありますが、マーケットがやや先走りすぎている点は否めません。ここまで「タカ派」な見通しによって過度に円が買われているとなれば、仮に何かしらの追加修正が実施されても発表後に更に円高へ、といったシナリオは考えにくいともいえます。むしろ反動で円売り、巻き戻しからドル円再浮上の展開も想定しておく局面かもしれません。とはいえ、日銀会合及び黒田総裁の会見までは円主導の相場とみて、引き続き思惑に振らされそうなだけに一段の円高進行の可能性も考慮しつつ、当日のトレード戦略を練っていきたいです。

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