FXレポート

黒田総裁の発言に注目

-前営業日サマリー-
 ドル円は132.33円でオープン。東京市場では、週末の実質ゴトー日のため仲値にかけて本邦実需勢のドル買いが入り一時132.81円まで上昇しました。ロンドン市場では、新たな材料に欠くなかレンジ相場となりました。NY市場では、米10年債利回りが3.74%台を付けたことで一時133.14円まで上昇も、米長期金利の下落とともに上値を切り下げ、132.83円で取引を終えました。

-黒田総裁の発言に注目-
 本日のイベントは、黒田日銀総裁の講演が予定されています。
 先週は、20日に日銀がYCC(イールドカーブコントロール)における長期金利の変動幅を従来の「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に変更すると発表しました。今年に入り、米国をはじめ多くの国々がインフレ抑制のため急速な利上げを実施する中、頑なに金融緩和継続を貫いてきた日本が事実上の利上げを行ったとあって、一日で約7円の円高・ドル安となるなど円全面高の一週間となりました。22日には米四半期GDP(7-9月期)が上方修正されたほか、新規失業保険申請件数や失業保険継続受給者が予想を下回るなど良好な米経済指標がドル買いを促す場面もありましたが、市場は来年4月に控える日銀総裁交代を前に日銀の金融政策正常化がどこまで進むのかという点に注目が集まりました。
 今週は主要諸国でクリスマスの振替休日があるほか、年末最終週となります。新たな材料になりえるイベントは特段予定されていませんが、本日の黒田総裁の発言次第では来年の日銀の金融政策スタンスを占う情報が出てくるかもしれません。例年、年末年始は方向感が出にくくマーケットも薄いため、瞬間的な値動きに気を付けて年内最後の取引に挑みたいです。

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