黒田ショック ドル円は130円割れも視野に
-前日サマリー-
ドル円は131.68円でオープン。東京市場では仲値にかけて一時131.50円付近まで下落しましたが、日経平均がプラス圏に浮上するなど、株高の動きが広がったことでリスク先行から円安基調の展開となり、132円の節目を回復しました。ロンドン市場に入ると再び131.50円付近まで軟化しましたが、その後は131円台後半での落ち着いた値動きに終始しました。NY市場では米長期金利が回復したことなどを受け、132.52円と日通し高値を更新するも、積極的な上値追いの流れにはならず、132.39円で取引を終えました。
-黒田ショック ドル円は130円割れも視野に-
本日のイベントは、英第3四半期GDP(確報値)、トルコ政策金利、米新規失業保険申請件数、米第3四半期GDP(確報値)、米個人消費(確報値)、米景気先行指数が予定されています。
足元のドル円は日銀が金融政策決定会合での長期金利変動許容幅を±0.50%に変更したことを受け、一時130.58円まで売られる場面が見られました。130円割れも視野に入ってきており、本格的なダウントレンド入りに警戒が必要な局面となっています。ドル円は8月2日につけた130.34円の節目がサポートとなりそうですが、この水準を割り込んだ際には円ショートポジションのロスカットを巻き込む形で円高が一段と加速する可能性を考慮しておきたいです。
一方でドル円の反発にも警戒が必要かもしれません。急速な円高は輸出企業の業績悪化や株価下落を招く恐れがあるため、黒田日銀総裁は「長期金利の変動許容幅拡大は考えていない」と市場を牽制し、緩和政策の継続を強調しました。そのなかで米景気先行指数がドル買いを押し上げる結果となれば、風向きが変わるかもしれません。そのため本日はドル円の方向感を見極めながら取引に臨みたいです。