日銀 長期金利変動幅を±0.50%に拡大 ドル円は132円割れ
-前日サマリー-
ドル円は136.81円でオープン。東京市場では、日銀金融政策決定会合から長期金利の変動許容幅が±0.50%へ拡大することが伝わり、急速に円買いが進行。ドル円は137円台から133.10円まで大幅に下落しました。黒田日銀総裁が記者会見にて金融緩和継続の必要性を改めて強調したことなどを受け、ロンドン市場でも円買いが継続。一時133.70円近辺まで反発する場面が見られるも、さらなるドル買いを促す材料に乏しく、その後は再び売りに押される展開となりました。NY市場でも円高の流れは変わらず、8月11日以来の132円を割れこみ、131.66円で取引を終えました。
-日銀 長期金利変動幅を±0.5%に拡大 ドル円は132円割れ-
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日銀は金融政策決定会合にて「長期金利の変動許容幅を従来の±0.25%から±0.50%」に変更。2013年から始めた大規模緩和の事実上の縮小となります。今回の金融緩和修正を受け、債券市場では日長期金利が一時0.46%と午前中の0.25%から急上昇し、2015年7月以来の高水準を記録。ドル円相場には大きな円高サプライズとなりました。
しかし、今回の緩和見直しは決して円高一辺倒の要因ではないかもしれません。長期金利の変動幅修正は、日米金利差の観点からは円高要因ではあるものの、現状、日銀は国債の約半分にあたる50.26%を保有しているため、国債価格の下落は円安要因と見られる可能性もあります。また、黒田日銀総裁は「さらなる変動幅拡大は必要ないし、今のところ考えていない」と市場の動きを牽制しました。そのため、ドル円の下値深掘りへの警戒感は残るものの、行き過ぎた円高から反発する可能性も考慮して取引に挑みたいです。