ISM製造業景況指数 景気後退ライン突入か
-前日サマリー-
ドル円は138.61円でオープン。東京市場では月末ゴトー日ということもあり、東京仲値にかけてはドル買いが進み、一時138.94円まで上昇。しかし、買い一巡後は米長期金利の低下と共にドル円は138.38円まで下落するなど、一方向の動きとはなりませんでした。ロンドン市場ではNY時間に控える米経済指標やパウエルFRB議長の講演待ちで神経質な地合いのなか、欧州株の上昇や米長期金利の低下一服に支えられドル円は上値を伸ばしました。NY時間でも、米第3四半期GDP・個人消費(改定値)の予想を上回る結果が伝わるとドル買いの動きが加速。ただ、パウエルFRB議長によるハト派な発言が市場に伝わると一転して売りの流れとなり、そのまま138.03円で取引を終えました。
-ISM製造業景況指数 景気後退ライン突入か-
本日のイベントは、豪第3四半期民間設備投資、中財新製造業PMI、日黒田日銀総裁発言、米新規失業保険申請件数、米PCEデフレーター、米ISM製造業景況指数、ボウマンFRB理事発言、バーFRB副議長発言が予定されています。
昨日は、米ADP雇用統計が予想20万人に対して結果が12.7万人と予想を下振れしたものの、その後に発表された第3四半期GDP(改定値)・第3四半期個人消費 (改定値)が結果2.9%、1.7%と予想の2.7%、1.6%をそれぞれ上回ったことでリセッション懸念が後退し、ドル円は139円後半まで上値を伸ばしました。
本日は米ISM製造業景況指数が発表されます。10月は景気判断の分岐点である50.0の水準は保ったものの、金融当局の積極的な引き締めによって材・モノの需要が冷え込んだことから、結果は50.2と2020年5月以来の低水準となりました。今回は景気後退のサインである50.0を割り込み49.8となる予想になっています。先週の製造業PMIは50.0を下回りドル安につながったことから今回のISM製造業景況指数への注目も集まっているため、例月より値動きが大きくなる可能性があります。米ISM製造業景況指数が仮に予想通り50.0を割り込む結果や予想を下振れる内容となった場合にはリセッション懸念の再燃から再びドルが売られることも想定されますが、50.0を上回る結果となった場合にはサプライズからドル買いへの反応が大きくなることも考えられます。とはいえ、パウエルFRB議長はブルッキング研究所主催のイベントの講演会にて「景気を抑制する政策は当面の間必要」と発言。発言の内容からは景気よりもインフレ動向への意識が感じられたことを踏まえると想定より動かないことも想定できるため、その点を見極めながら本日も取引に臨みたいです。