パウエルFRB議長の講演に注目
-前日サマリー-
ドル円は138.88円でオープン。東京市場では、中国の新型コロナ新規感染者数の減少と大規模デモの収束が好感され、139.35円まで上昇しました。しかし米長期金利の低下を受け、再度138円台へ突入。ロンドン市場に入っても下落が続き、前日安値の137.86円を付けました。NY市場では、ドル買いへと風向きが変わり138.85円まで上昇しましたが、その後は上値が重い展開が続き、138.67円で取引を終えました。
- パウエルFRB議長の講演に注目-
本日のイベントは、豪住宅建設許可件数、中国購買担当者景気指数(PMI)、欧消費者物価指数(HICP)、米ADP雇用統計、米JOLT求人、米中古住宅販売保留、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、ボウマンFRB理事、クックFRB理事、パウエルFRB議長の発言が予定されており、月末のゴトー日です。
HICPから高いインフレ率が定着しているかを見極めたいです。昨日発表された独CPIは前年比、前月比共に市場予想を若干下回る結果となりましたが、それでも前年比は+10%となりました。HICPの市場予想も年内最高水準の前年比+10.4%となっており、9月からは+10%付近で推移しています。今回も高いインフレ率が示されれば、再びECBの利上げ期待が高まり、ユーロ買いとなるかもしれません。
また12月FOMCのブラックアウト期間入り直前のパウエルFRB議長による講演にも注目したいです。ここ数日間でFOMCメンバーによるタカ派発言が相次いでおり、インフレが緩和されていないこと、金融引き締めの継続的な必要性について強調されました。パウエル議長の講演でも来年以降のインフレ抑制に向けて金融引き締めサイクルを継続する旨の発言が見込まれています。また経済見通しと労働市場についての講演であることから利上げによる経済への影響について発言する可能性があり、仮に経済悪化を懸念する旨の発言が出てくればドルが売られる展開となるかもしれません。
本日は、月末フローに加えて重要イベントが多数控えていることから値動きが大きくなる可能性があります。そのためヘッドラインから目を離さずに取引に挑みたいです。