FOMC議事録 市場はハト派内容に過度反応
-前日サマリー-
ドル円は139.56円でオープン。東京市場では、前日のNY時間からの低調な米経済指標を受けたドル売り優勢の地合いが継続し、節目の139円を割り込んで軟調に推移しました。ロンドン市場では序盤に一時139.22円まで上昇する場面が見られるも、139円近辺では戻り売り圧力もあり再びドル売りの流れに、138.05円まで日通し安値を更新しました。ただ、その後は下落一服で138円台序盤でもみ合い、NY市場では米国が感謝祭で休場だったことで商いが乏しく、138円ミドル付近までの小幅な値動きに終始し、138.62円で取引を終えました。
-FOMC議事録 市場はハト派内容に過度反応-
本日のイベントは、日東京消費者物価指数、独第3四半期GDP(確報値)が予定されており、米国はブラックフライデーのため金融市場は短縮取引となります。
週明けに前週までのレンジを一旦抜け、風向きが変わったかに見えたドル円でしたが、足元では138円台序盤まで下落。12月の米CPIやFOMC待ちの下値模索の相場展開となっています。
一昨日公表された11月FOMC議事録要旨では実態経済の落ち込みに対する言及が確認され、金利に影響を受けやすい住宅市場が急激に鈍化していることや来年中にリセッションに陥る可能性について示されました。その一方で、高インフレを受けて低所得層を中心に支出が減少しているとの指摘があり、利上げ幅縮小に対して慎重な姿勢も見られています。市場が過度に議事録の「ハト」にだけ強く反応している印象もあり、今後はドルの相場動向を図る上では、ターミナルレートがどの水準まで引き上げられるのかも焦点とみておきたいです。金利先物に基づいて算出されるFed Watch(CME)を見ると12月FOMCでの0.5%への利上げ幅縮小確率は7割を超えており、利上げ減速の織り込まれていることを踏まえると、12月FOMCでの利上げ縮小は市場での反応は薄いかもしれません。対して、仮にFOMC前日の米CPIの内容次第では、FOMCでターミナルレートの引き上げが議論・発表されドル買いの流れにシフトするといったシナリオも考えておきたいです。
本日は米国が祝日明けとなりますが、ブラックフライデーのため引き続き流動性の低下には警戒となります。方向感の出にくい展開が想定されますが、上下軽い値動きとなる局面も考慮しつつ、取引に臨みたいです。