ドル円150円突破、日米金利差の拡大継続不可避
-前日サマリー-
ドル円は149.86円でオープン。東京市場では、時間外米長期金利の上昇やFRBによる大幅利上げの継続観測が強まったことで徐々に円安が進み、16時半過ぎには32年ぶりに150円を突破。ロンドン市場では、トラス英首相の辞任が発表されると、先行き不透明感が残る中、一時ポンド買いが強まりました。NY市場では、米10年債利回りが2008年6月以来の高水準となる4.23%台まで上昇、ドル円は再び150円を超え、150.14円で取引を終えました。
-ドル円150円突破、日米金利差の拡大継続不可避-
本日のイベントは、日CPI、英小売売上高、米ウィリアムズNY連銀総裁の発言、EU消費者信頼感、米大手企業決算発表が予定されています。
ドル円が150円を突破しました。米長期金利の上昇やFRBによる大幅利上げの継続観測が強まったことで、32年ぶりの円安水準をつけました。円の価値(対ドル)は、東日本大震災後の2011年10月につけた戦後最高値75.32円からほぼ半減したことになります。昨日、神田財務官は「今まで以上に過度な変動が許される状況ではなくなっている中で、われわれは必要な対応をとる態勢が常にできている。」と市場の動きをけん制しつつも、従来の考えを改めて述べるに留まりました。
本日もFOMCメンバーの発言が予定されていますが、昨日のFOMCメンバーの発言はいずれもさらなる米金利上昇を予感させるタカ派発言であり、日米金利差の拡大は継続するでしょう。今後は、より一層為替介入への警戒感が高まることが予想される一方、本日節目の150円を超えた状態で政府による円買い介入がなければ、さらに円安ドル高が加速する可能性があります。そして150円の大台に乗せたことで、1990年8月につけた安値151.58円が次の節目として意識されそうです。本日も相場は神経質な動きが続くと思われますが、押し目の買い場を逃さないよう取引に挑みたいです。