ドル円149円突破、為替介入実施後のトレード戦略
-前日サマリー-
週明けのドル円は148.59円でスタート。朝方から本邦当局者らの口先介入が相次ぐもドル円相場への影響は限定的、東京市場では148.43円から148.80円のレンジ相場となりました。ロンドン市場では、欧州通貨やオセアニア通貨が買われたことでドルも円も売られる動き、ドル円は小幅な値動きながら148.89円へ高値を更新しました。ニューヨーク市場では、これまで買われてきた欧州通貨の上昇一服で相対的にドルが買い戻される動き、一方円の買い戻し材料に乏しかったことからドル円は149円を一時突破して取引を終えました。
英国では、ハント新財務相が9月にトラス政権が打ち出した大規模減税案のほとんどの内容を撤回、為替市場ではポンドが買い戻されてポンド円は先週終値166.15円から170円へ上昇し2016年ぶり高値を更新した動きが目立ちました。
-ドル円149円突破、為替介入実施後のトレード戦略-
本日のイベントは、豪RBA議事録、中国GDP、独ZEW景況感指数、米鉱工業生産、米大手企業決算発表が予定されています。
ドル円が149円を突破しました。先週までは円だけでなくポンドやユーロなど欧州通貨に対して相対的にドルが買われる地合いのため、積極的な円売りによる上昇とは言えないドル円上昇でした。しかし、昨日は英財務相が大規模減税案の大半を撤回したことでポンドが大幅高、ユーロや豪ドルなどの主要通貨もつれ高となった一方で、先週買われていたドルの反落と円の続落というバランスで為替相場が形成されました。これによって、先週と昨日を合わせると円だけが買われていない状況(円の独歩安)になったと考えられます。
いつ介入が来ても不思議ではない状況になったと言えるため、介入後のトレード戦略を考えます。9月22日の介入より前は、本邦当局者らの口先介入・レートチェックが実施されるも、市場参加者の間では「介入は行われないだろう」といった考えが大勢でした。そのため、当時の市場参加者らのポジションは円ショートに大量に傾いていたと考えられます。そんな中、サプライズ介入が実施されたため、ドル円だと144円から145円での円ショートポジションが大量にあり、2.8兆円の円買い介入がこれらのポジションのロスカットを誘発、結果2.8兆円の介入規模にもかかわらずドル円を5円押し下げられたと考えられます。
10月17日時点では、市場参加者らは「介入はあるだろう」という見方が一定数あるため、9月ほど円ショートポジションに偏っている状況ではないと考えられ、また「介入で円高になったら円ショートを仕掛けよう」「介入で円高になったら円ロングを決済しよう」といった思惑をもつ市場参加者も多いと考えららます。したがって、9月介入と同規模の介入では、円ショートポジションのロスカットを誘発した円買い圧力の増幅効果は薄まり、円ロング仕掛けが多い可能性のある145円や147円辺りで多くの押し目円ショート取引が出てくる可能性があります。今月の介入では、押し目の円売りに同調する取引が正当化されることも想定しながら、本日は取引に挑みたいです。