政府・日銀の為替介入、英中銀(BOE)緊急買入延長の可否に注目
-前日サマリー-
ドル円は146.85円でオープン。東京・ロンドン市場では、米CPI(消費者物価指数)発表を控えて146.68円から146.90円のレンジ相場となりました。21時半に発表された米CPI(消費者物価指数)は、総合CPIが前月比:+0.4%(予想:+0.2%)、コアCPIが前月比:+0.6%(予想:+0.5%)と、インフレ率が予想を上振れ、ドル買い主導でドル円は146.70円から147.67円へ上昇、1990年以来32年ぶりに高値を更新しました。その後、為替介入が意識される形で一時146.48円へ急落する場面もありましたが、147.22円で取引を終えました。また、英トラス政権が法人税引上げを検討中と伝わったことでポンドが買われ、ポンド円は163円から167円へ大幅高となった動きが目立ちました。
-政府・日銀の為替介入、英中銀(BOE)緊急買入延長の可否に注目-
本日のイベントは、中国インフレ率(CPI、PPI)、米小売売上高、米ミシガン大消費者信頼感指数、米クックFRB理事発言、米大手金融機関決算発表が予定され、英中銀(BOE)緊急国債買入最終日となっています。また、今週末には中国共産党大会が控えます。
日本政府・日銀による為替介入の有無と、英政府・BOE(英中銀)の動向が注目されています。
ドル円は1990年以来の高値を更新し、バブル経済崩壊後の最高値圏に突入しました。市場では政府・日銀による為替介入に注目が集まりますが、為替介入が行われないシナリオも想定すべきと考えられます。本邦当局者らは為替介入の根拠として「急激な変動」「投機的な動き」への対抗を掲げていますが、「為替の水準」については根拠として否定しています。そして、円相場は9月の介入前後で「変動」は小さくなりました。米CPIが発表された日のドル円を例に挙げると、8月と9月は米CPI前後の2時間で約3円の変動が確認された一方で、昨日は1円強の変動に抑えられていました。本日もドル高円安が加速して昨日高値から1円以上高い水準の149円までドル円が急騰する場面があれば、「急激な変動」とみなされて円買い介入が行われる可能性がありますが、148円突破程度の値動きでは介入見送りのシナリオも想定しておきたいです。
英中銀(BOE)の英国債緊急買入は本日終了の予定です。9月23日にトラス政権が打ち出した大規模減税計画をきっかけとして9月26日にはポンドのクラッシュが発生、英中銀(BOE)が9月28日に英長期国債の緊急買入を発表、10月10日には英長期国債買入枠の拡大と新たに物価連動債の一時買入を発表しました。これらの流れでポンドは激しい値動きを続けてきましたが、本日14日は英中銀(BOE)の国債買入が終了する予定となっています。トラス政権は、当初公表した大規模減税案から「所得税最高税率引下げ」計画の見送りを10月3日に発表、昨日13日には「法人税引上げ」を検討中と伝わっています。英中銀(BOE)の国債買支えが安心材料となって買われてきたポンドは、この緊急QE終了に伴って急落するシナリオも考えられます。英中銀(BOE)の動向にも注目しながら、本日は取引に挑みたいです。