米消費者物価指数の上振れに警戒
-前日サマリー-
ドル円は145.78円でオープン。仕掛け的な買いが入り、先月介入が実施された145.90円を上抜けた後、146円台前半で神経質な動きとなりました。その後は、黒田日銀総裁が金融緩和継続を改めて示したことや米生産者物価指数が予想を上回ったことからドル円は高値を更新し、146.96円まで上昇しました。FOMC議事要旨公表後は一時的に売りが入るも、反発し146.90円で取引を終えました。
-米消費者物価指数の上振れに警戒-
本日のイベントは、ボウマンFRB理事の発言、米新規失業保険申請件数、米消費者物価指数(CPI)、G20財務相中央銀行総裁会議(2日目)が予定されています。
昨日の米生産者物価指数は予想8.4%(前年比)を上回る8.5%となり 米消費者物価指数(CPI)の上振れへの警戒感が高まりました。米CPIの市場予想は前回8.3%に対し8.1%と鈍化予想、米CPIコアは前回6.3%に対し6.5%とインフレ進行予想です。米CPIが予想を上回る場合は11月会合での0.75%利上げはほぼ確実になると想定されます。加えて注目したいのは、12月FOMCでの利上げ幅です。現状は0.5%利上げを織り込んでいますが、12月も0.75%利上げを織り込む場合には、ターミナルレートが引き上げられる可能性もあり、一層のドル高に警戒したいです。しかし、先月介入が行われた145.90円を突破し高値を更新したことから、目安となるラインを失いました。鈴木財務相は、「水準ではなく為替の動きが重要」「過度な変動には適切な対応をとる」発言していることから、大幅に円安が進行する場合には介入に警戒しながら取引に臨みたいです。