ドル円146円突破でも、ドル高主導なら介入見送りの可能性
-前日サマリー-
ドル円は145.35円でスタート。先週末に発表された米雇用統計が好調な結果だったことで上昇基調のドル円は、午前中に円安主導で145.66円まで一時上昇しました。ロンドン市場では、ウクライナ首都キーフ(キエフ)などウクライナ全土への攻撃激化が嫌気される形で欧州通貨が売られる動き、相対的に円が買い戻されてドル円は145.24円まで反落しました。ニューヨーク市場では、エバンス・シカゴ連銀総裁の金融引締め長期化を示唆する発言を手掛かりにドル円は上昇、145.80円まで一時反発した後、145.71円で取引を終えました。
-ドル円146円突破でも、ドル高主導なら介入見送りの可能性-
本日のイベントは、英失業率、IMF世界経済見通し、米メスター・クリープランド連銀総裁発言、英ベイリーBOE総裁発言、スイス・ジョーダンSNB総裁発言が予定されています。
為替介入が実施された9月22日の高値(145.90円)一歩手前までドル円は上昇しています。9月22日は、深夜FOMCで0.75%利上げが実施され、正午の日銀金融政策決定会合では日銀の金融緩和が継続され、世界各国の中央銀行の利上げ決定が集中した日でした。そのため、日銀と海外中銀の間の金融政策の違いが鮮明に意識され、円売り主導で145.90円まで急速に上昇したマーケットでした。しかし、今のマーケットは、円が積極的に売られも買われもせず、英国財政懸念・英長期国債暴落による混乱でポンド安が続いたり、ウクライナ情勢の急変が意識される形でユーロが売られたり、リスクオフムードの中で相対的にドルが買われています。好調な米雇用統計など経済指標も意識されて、ドル売り材料に乏しい状況です。ドル円は、ドル高主導で146円手前まで上昇していると考えられるため、本邦当局者らが為替介入の根拠として主張した「投機的な動き」「急速な値動き」が目立つ地合いとは考えにくい面もあります。また、今週は12-13日にかけてG20財務相・中央銀行総裁会議を控えていることから、9月ほど急速なスピードでドル円が上昇しているわけではない地合いで円買い介入は行いにくいのではないかとも考えられます。ドル円は9月に為替介入が実施された高値まで上昇していますが、急速ではないペースで146円を突破する地合いなら介入が見送られるシナリオも想定しながら、本日は取引に挑みたいです。