ポンド、急落に警戒
-先週サマリー-
先週のドル円は144.65円でスタート、月曜に発表された米ISM製造業景況指数が予想(52.2)に反して大きく悪化(50.9)したことでドル売りムードへ、欧州通貨の買戻しによる相対的なドル安も重なり週半ばにかけて143.54円まで下落しました。水曜に発表された米ISM非製造業景況指数では予想(56.0)ほど悪くない結果(56.7)だったことでドル買戻しの流れへ、金曜に発表された米雇用統計では、失業率が予想(3.7%)に反して改善(3.5%)、雇用者数の伸びも予想(+25万人)を上振れ(+26.3万人)したことで週末にかけてドル独歩高の動き、ドル円は145.39円まで反発して取引を終えました。
-ポンド、急落に警戒-
本日のイベントは、米エバンス・シカゴ連銀総裁発言が予定され、日本、米国、カナダが祝日となります。
ポンド急落に警戒が必要かもしれません。先週末の米雇用統計では市場予想を上回る雇用者数の伸びと失業率の改善が確認できたことで、米FRBによる金融引締め警戒感が増大、為替市場はドル高の地合いで先週末は終えています。英国に目を向けると、トラス政権が発表した大規模減税・国債増発計画と、BOE(英中銀)が10月から開始予定だった国債売却(QT)が重なり、ポンド・英株・英国債のトリプル安、ポンドのフラッシュクラッシュが発生しましたが、BOEの長期国債緊急買入と英政権の大規模減税一部撤回でポンドは急反発、ポンド円はこの2週間で149円から165円の間を激しく動いてきました。しかし、英金融市場を支えたBOEの英長期国債緊急買入は今週14日に終了予定、月末には国債売却(QT)を開始することがアナウンスされています。英政権が打ち出す大規模減税は一部が撤回されたにすぎず、英国周りのリスクは払しょくされていません。今週は、14日に終了予定のBOE英国債緊急買入について、終了後のBOEの方針に市場の関心が集まっています。BOEから追加の措置が発表されない場合、英国債の急落リスクが再燃することでポンドも急落する場面が出てくるシナリオも考えられます。BOEの動向に注意を払いながら、本日からも取引に挑みたいです。