FXレポート

日銀短観から見る今後の国内経済見通し 豪政策金利と声明にポジティブサプライズはあるか

-前日サマリー-
 ドル円は144.64円と先週末から16銭下げてオープン。東京市場では一時145.28円の日通し高値を付けましたが、鈴木財務相の発言から為替介入への警戒が高まると144.61円まで反落しました。またクワーテング英財務相が所得税の最高税率の廃止案を撤回することを表明したことでポンド円は163.29円まで上昇しました。NY市場ではISM製造業景況指数が発表され、予想値を下回ったことでドル円は瞬間144.65円まで下落。反発する局面もみられましたが、下落基調は続き144.63円で取引を終えました。

-日銀短観から見る今後の国内経済見通し 豪政策金利と声明にポジティブサプライズはあるか-
 本日のイベントは豪住宅建設許可件数、豪RBA政策金利、米ウィリアムNY連銀総裁の発言、米メスター・クリーブランド連銀総裁の発言、欧ラガルドECB総裁の発言、米ジェファーソンFRB理事の発言が予定されており、中国・香港市場は休場となっております。
 昨日発表された日銀短観では、国内経済が停滞し、先行き不透明感が強まる結果となりました。供給制約の緩和や設備投資需要の持ち直しが追い風になる一方で、原材料価格の高騰やコロナ感染の再拡大によって大手製造業の景況判断や先行き見通しが悪化しました。設備投資計画に回復の兆しがみられましたが、肝心の景況感や先行きが市場予想を下回ったことで、日銀金融政策の早期転換を促すような内容ではありませんでした。そのためドル円の円安地合いは継続となりそうですが、145円の高値付近では為替介入を警戒した売りによって上値が重い展開となるかもしれません。
 また豪RBA政策金利では、5会合連続の0.5%利上げが予想されています。今回が最後の0.5%利上げの見通しで、ロウRBA総裁が「ある時点で金利の上昇速度を緩めることが適切となる」と発言していることから、11月の会合では利上げ幅が0.25%に狭まると観測されています。声明から11月の利上げ幅見通しが引き上げられれば、豪ドルの買い材料となりそうですが、今月26日発表の豪消費者物価指数の結果を見極めるまでは利上げ見通しに変化が表れない可能性もあります。足元の豪ドル円は原油価格の上昇を受け、直近高値の94円付近まで上昇しています。そのため本日はポジティブサプライズの材料が出なければ利益確定売りに押され、再び下落トレンドに転換するかもしれません。

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