ユーロ一段安、ECB議事要旨から流動的な金利見通しを探れるか
-前日サマリー-
東京市場のドル円は135.83円でスタート、株安や米長期金利の低下などから終始上値の重たい展開で135.00円台まで下落しました。欧州市場では、景気減速懸念からユーロが全面安の展開となり、欧州通貨のクロス円が一段安となったことに連れてドル円も軟調、米長期金利の低下も重なり一時134.95円まで下値を広げました。NY市場では、米ISM非製造業指数が市場予想を上回ったことでドル買いが加速し、136.00円まで日通し高値を更新しました。その後、FOMC議事要旨公表の反応は限定的でしたが、米長期金利の上昇も支えにドル円は堅調に推移し135.90円で取引を終えました。
-ユーロ一段安、ECB議事要旨から流動的な金利見通しを探れるか-
本日のイベントは、豪貿易収支、独鉱工業生産、メキシコ消費者物価指数、欧ECB理事会議事要旨、米新規失業保険申請件数/貿易収支/ウォラーFRB理事発言/セントルイス連銀総裁発言、ポーランド中銀政策金利が予定されています。
各国注目指標が多数控える中、とりわけ欧米のイベントに注目したいです。利上げ予想のECB理事会がいよいよ再来週に迫ってきていますが、足元では経済の先行き不透明感の広がりから欧州通貨売りが優勢、特にユーロは対ドルでは2002年ぶりの安値水準まで連日下げ幅を拡大しています。ユーロ圏のエネルギー逼迫や景気後退懸念などで市場におけるECBの大幅利上げ観測も後退しており、引き続きユーロはダウンサイドに警戒したい地合いといえます。この点、今後の金利織り込みが流動的であるため、本日のECB理事会議事要旨(6/9開催分)で利上げ見通しのヒントを探り、調整局面を抜け買戻しに転じる材料があるかを見極めていきたいです。
一方で、米国のリセッション懸念も高まりをみせる中で、昨日6日のISM非製造業景況指数は予想上振れも3か月連続の鈍化でおよそ2年ぶりの低水準となっています。引き続き米国の景気後退の行方や深度を探りたい思惑も強いと考えられることから、本日のFRB要人発言や直近のビッグイベントの8日米雇用統計に対する市場の感度も高いとみて注目したいです。