FXレポート

パウエルFRB議長・ラガルドECB総裁・ベイリーBOE総裁らのECBフォーラム討論に注目

-前営業日サマリー-
 東京市場のドル円は135.45円でスタート、6月期末の受渡最終日に当たり実需勢の円買い圧力が大きかったことで135.12円まで一時下落しました。ロンドン市場では、株式・原油市場のリスクオンムードを手掛かりに円安の流れ、ドル円は136.32円まで上昇しました。ニューヨーク市場では、NYダウが寄付き高値から900ドル安のリスクオフムードでドル高円高へ、ドル円は136.10円から136.30円辺りまでのレンジ相場が続き136.20円で取引を終えました。

-パウエルFRB議長・ラガルドECB総裁・ベイリーBOE総裁らのECBフォーラム討論に注目-
 本日のイベントは、豪小売売上高、独消費者物価指数(CPI)、米GDP・個人消費、パウエルFRB議長・ラガルドECB総裁・ベイリーBOE総裁、カルステンスBIS総支配人のパネルディスカッション(ECBフォーラム)、メスター・クリープランド連銀総裁発言、ブラード・セントルイス連銀総裁発言、日米韓首脳会談、NATO首脳会談が予定されています。特に注目すべきは、ECBフォーラムで行われるパネルディスカッションです。
 米英欧の中銀が直面している共通の課題として、インフレを抑えるための金融引締め政策をどのように進めていくかということが挙げられます。各国地域のインフレ率は、以下の通りです。

 ・米国:+8.3%(5月CPI・前年比、6月10日発表)
 ・欧州:+8.1%(5月HICP・前年比、6月17日発表)
 ・英国:+9.1%(5月CPI・前年比、6月22日発表)

 いずれの国地域の中銀も、物価安定の目標として「2%」程度を掲げていますが、これを大幅に超過するインフレ率に対して、利上げ・量的引締め(QT)などの金融引き締め政策を、米FRBは今年3月から、英BOEは昨年12月から実施、欧ECBも今年7月からの利上げ開始が予定されています。今夜のパネルディスカッションでは、金融引締めを「いつまで」「どれほどのペースで」今後行っていくのか、この点を探るヒントが出てくるかどうかに注目が集まっています。
 日銀が米英欧の中銀とは対照的に金融緩和を続けていることで、足もとでは円安に動いています。今夜のパネルディスカッションで目新しい材料が出てこない場合でも、日銀と米英欧中銀との金融政策の違いが改めて意識されることで円安が加速するシナリオも考えられます。今夜のパネルディスカッションで主要国中銀のスタンスを丁寧に確認しながら、本日も取引に挑みたいです。

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