FXレポート

日銀金融政策決定会合から再度円安へシフトするか

-前日サマリー-
 東京市場のドル円は133.74円でスタート。米10年債利回りが3.38%に近づくとFOMCの政策金利発表から続くドル安に巻き返しが入り、ドル円は一時134.68円まで上値を伸ばしました。ロンドン市場では、スイス国立銀行が15年ぶりの0.5%利上げに踏み切ったことで株式市場は軟調となり、リスク回避の円買いが進行しました。またBOEは市場予想通り0.25%の利上げを決定しましたが売りの圧力に押され、ポンド円は一時160円まで下落しました。NY市場では失業保険申請件数の増加や製造業景気指数の悪化に加えて、ダウ平均株価が3万ドルを割り混むことでリスクオフの円買いが進むとドル円は131.49円まで下落、その後は緩やかに上昇し、132.14円で取引を終えました。


-日銀金融政策決定会合から再度円安へシフトするか-
 本日は、日銀政策金利の発表、黒田総裁の会見、パウエルFRB議長の会見、米鉱工業生産、米景気先行指標総合指数の発表が予定されており、日銀金融政策決定会合の声明にも注目が集まります。
 昨日はスイスの利上げから金利上昇を嫌気した株式の売りと米国経済指標の悪化を受けてリスクオフの円買いが進行しました。日銀金融政策決定会合についての市場予想は-0.1%の金利据え置き、金融緩和政策の継続が見込まれており、黒田総裁は繰り返し「出口戦略について検討する時期ではない」と述べていることからも金融引き締めに向けた言及の可能性は極めて低いと思われ、日米の金利差拡大傾向に変化はないとの見方が再度広がれば、円安方向に進むかもしれません。
 また米国の経済指標の悪化も気がかりです。昨日発表された5月の住宅着工件数は前月比で-14.4%となり、市場予想の-1.6%から大きく悪化したことや住宅ローン金利が1987年以来の大幅な伸び率を記録したことで住宅市場の冷え込みが懸念されています。アメリカ経済における住宅市場の比重は大きく、景気後退が意識されればドル売りへと繋がる可能性もあります。そのため本日の景気先行指数の発表や日米要人発言の動向に注目して取引に挑みたいです。

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