米インフレピークアウトならず、さらなる円安進行か
-前営業日サマリー-
東京市場のドル円は134.33円でスタート。この日はゴトー日とあって、東京仲値発表にかけてドル円は底堅く推移。ただ仲値発表後には失速し、一時134.00円まで下落しました。また、この日の16時から財務省・金融庁・日銀の3者会合が開催されるとの報道が伝わると、ドル円は一時133.87円まで下落しましたが、その後は売りが一服。欧州市場では、市場予想を上回る米CPIの結果が伝わり、ドル円は買いで反応。一時134.38円を付けたものの、すぐに133.52円まで下落するなど、値動きの荒い展開となりました。その後も荒い値動きのままニューヨーク市場に突入。米CPIの影響もあってか、米10年債利回りが3.17%付近まで上昇するのを横目に、ドル円は底堅く推移。そのまま、米CPI発表時の高水準を超え134.40円台を突破しました。最終的に、この日のドル円は134.42円で取引を終えました。
-米インフレピークアウトならず、さらなる円安進行か-
本日のイベントは、英月次国内総生産(GDP)/鉱工業生産/製造業生産指数、トルコ経常収支が予定されており、オーストラリア、ロシアが休場となります。
先週10日に発表された米消費者物価指数(CPI)では市場予想の8.3%を上回る8.6%との結果になりました。前年同期比での伸び率は約40年ぶりの大きさとなったことに加え、発表時まで米でのインフレは3月がピークであると予想されていた中で、今回、3月の米CPI(8.5%)を上回る結果となったため、市場の米FRBに対する利上げ圧力が一段と高まったと見えます。
そして、いよいよ今週15日にはFOMC政策金利の発表が予定されています。これまで市場では6月、7月の2会合で0.5%の利上げを織り込んでいましたが、先週末の米CPIの結果を受けて、6月、7月に加えて9月の3会合で、0.5%の利上げが織り込まれています。また、7月会合では0.75%の利上げとの声も一部上がっています。一方で、先週8日には黒田日銀総裁の「日銀は緩和継続で経済を支える必要」との発言が伝わっており、これらのことから日米金利差拡大が意識され、週明けは、より円安・ドル高の地合いが強まることが想定されます。ただ、FOMC政策金利の発表まで、市場の利上げ期待が変化する可能性も考えられるため、目先は、米長期金利の動きや、米利上げに対する市場の思惑に注目しながら取引に臨みたいです。