米消費者物価指数(CPI)、ドル円の見通し
-前日サマリー-
東京市場のドル円は134.20円でスタート、前日NY市場の上昇の流れが継続して午前中に134.54円まで高値を更新しましたが東京仲値にかけて失速、売られすぎていた円が買い戻される動きが優勢で、ドル円は133.63円まで下落しました。ロンドン市場では、ECBが7月に利上げを行う方針をアナウンス、ユーロ円は142.65円から144.08円へ急上昇、日中の下げを全戻ししました。ニューヨーク市場では、ラガルドECB総裁の会見で新たな材料が出なかったことでユーロが失速、明日CPIを控えてドルが買い戻される動きとなり、ドル円は133.62円から134.38円へ、日中の下げをほとんど戻して取引を終えました。
-米消費者物価指数(CPI)、ドル円の見通し-
本日のイベントは、日本企業物価指数、中国消費者物価指数/生産者物価指数、ロシア政策金利、米消費者物価指数(CPI)、カナダ失業率、米ミシガン大消費者信頼感指数が予定されています。特に注目すべきは、米消費者物価指数(CPI)となります。
米消費者物価指数(CPI)の市場予想は、全体では前年比+8.3%(前回+8.3%)前月比+0.7%(前回+0.3%)、コア指数では前年比+5.9%(前回+6.2%)前月比+0.5%(前回+0.6%)となっており、食品・エネルギー価格の上昇が米国のインフレを加速させるだろうと考えられています。また、来週水曜にFOMCを控えていることから、今夜の消費者物価指数は、FRBの利上げがいつまで続くのかという見通しに影響を与える可能性もあります。
ドル円は、金融緩和を続ける日銀と金融引き締めを加速させるFRBなど世界中の中銀との間で、金融政策スタンスの違いが鮮明に意識されて円が売られることで大きく上昇してきました。今夜の米消費者物価指数が予想並み・予想以上の結果となれば、FRBは利上げをより長い間・より大幅に行われる旨のアナウンスがされると連想され、ドル円は135円を大きく突破するだろうと考えられます。
また、ドル円は今週だけで約4円、この2週間で約7円上昇しています。円を積極的に売ってきた市場参加者目線に立つと、週明けにFOMCというビッグイベントを控えているため、週末のポジション調整で円売りポジションを利益確定しておきたいと考えている可能性があります。ロンドンフィックス(24時)にかけて、円売り仕掛け勢の円買い戻しによるドル円の下落についても、米消費者物価指数発表後は注意しておきたいです。