米CPI発表、インフレ率低下の観測なるか
-前日サマリー-
東京市場のドル円は130.37円でスタート。朝方の日経平均が540円超の大幅安となったことでリスク回避の動きが進行。ドル円は軟調に推移し一時129.79円を付けました。昼頃になると、内田日銀理事が「長期金利ゼロ%±0.25%の誘導目標を変更することは考えていない」との見解を示したことでドル円に買戻しが入り、一時130.54円まで上昇しました。しかし、ロンドン市場入りにかけてドル円は失速。米10年債利回りが、2.94%台まで下落したこともありドル円は再び130円を割りました。ニューヨーク市場でのドル円は、ロンドン市場入りで失速してからの戻りが鈍く上値の重い展開が続きました。また、同時間帯にバイデン大統領やFOMCメンバーによるインフレに関しての発言がありましたが、相場への影響は限定的でした。その後ドル円は小動きで推移し、最終的に130.43円で取引を終えました。
-米CPI発表、インフレ率低下の観測なるか-
本日のイベントは、豪ウエストバック消費者信頼感指数、中消費者物価指数/生産者物価指数、独ナーゲル連銀総裁の発言、欧ラガルドECB総裁の発言、米消費者物価指数(CPI)/(コアCPI)/週間原油在庫/10年債入札が予定されています。
昨日は、FOMCメンバーで投票権を持つウォラー理事とメスター・クリーブランド連銀総裁の発言がありました。タカ派寄りとされている二人から、「インフレリスクが上向いている」、「インフレは高すぎる」との発言が伝わり、メスター連銀総裁については、「0.75%の利上げの可能性を排除することはない」との認識を示し、「0.75%の利上げを積極的に検討していない」と示したパウエルFRB議長との温度感の違いが確認されました。しかし、市場への影響は限定的で、本日予定されている米消費者物価指数(CPI)の発表を控えてか、やや様子見ムードとなっている印象です。
今回のCPIの発表において、市場では、前回発表された3月のCPI(8.5%)から下振れる予想、つまり3月がインフレのピークであることを確認できるかに焦点が集まっています。仮に予想を上回るインフレ率が確認されれば、市場の利上げ期待が高まり、市場はドル買いで反応することが想定されます。反対に予想を下回る結果であれば、ドル売りで反応することが考えられますが、ドル円に関しては、先週の安値128円台半ばを下回るまで目先のドル円の強気傾向は継続しそうです。今回のCPIの結果次第では、0.75%の利上げに消極的なFOMCメンバーの認識を変えるきっかけとなりうるため要注目です。