週明けのドル円は底堅く推移、ドル売りの懸念材料は
-前日サマリー-
東京市場のドル円は130.04円でスタート。朝方のドル円は、日経平均株価が下落した影響を受けて、一時129.61円と前日の安値を更新しましたが、時間外の米10年債利回りの上昇を横目に、ドル円は130円台まで回復。その後底堅く推移し130.47円まで上昇しましたが、ロンドン市場に入ると軟調な展開に。週明けの欧州株が安く始まったことや、時間外の米10年債利回りが低下に転じたことを受けて、ドル円は一時129.70円まで下落しました。しかしながら、ニューヨーク市場では、米10年債利回りが3.0081%前後と約3年5か月ぶりの高水準を付けたことが支援となり、ドル円は再び上昇。130円台を維持しながら推移し、最終的には130.15円で取引を終えました。
-週明けのドル円は底堅く推移、ドル売りの懸念材料は-
本日のイベントは、豪RBA政策金利&声明発表、独失業率、欧生産者物価指数、米製造業受注指数/JOLT労働調査が予定されています。
日本時間13時半に発表を控えるRBA(豪準備銀行)政策金利の発表について、市場では0.1%から0.25%への利上げが予想されています。ただ、今週4日に控える米FOMCで、FRB(米連邦準備理事会)がより積極的な引き締めをするとの観測から、対米ドルにおいては豪ドルの買い材料にはなりにくいと考えられます。しかしながら、RBAの政策金利引き上げが発表されれば、超低金利政策を継続する日本との金利差は拡大していくことから、対円で豪ドルが上値を広げる展開が予想されそうです。
一方で、昨日のドル円は、一時130円割れの局面があったものの、日米の金融政策の乖離や日米金利差拡大の観測を背景に一定の底堅さを見せました。先月28日の日銀金融政策決定会合以来、ドル円は上昇傾向にありますが、ドル売り、つまり円高の支援材料について挙げるとすれば、ウクライナ情勢の先行きが一つ考えられます。
一部報道によると、プーチン大統領は、5月9日に行われる戦勝記念日にて、正式に「戦争」を宣言する可能性があるとの指摘がされています。ウクライナへの侵攻について、従来は「特別軍事作戦」と称していましたが、正式に「戦争」と位置づけることで国民の大規模動員を目論んでいるのではないかと予想されています。また、プーチン大統領が、がん手術を受けるため、数日の間、ウクライナ作戦の指揮権を、ロシア連邦安全保障会議書記のニコライ・パトルシェフ氏に託すとの報道もあり、不確実要素が多く、ヘッドラインによっては市場のリスクセンチメントが悪化、リスク回避の動きが強まり、ドル売りの動きが出る可能性も考えられます。
足元の市場では、ドル買いに一定の安心感があるようにも見え、ドル円が下に振れた際は、押し目買いにも妙味があると考えられますが、プーチン大統領の動向にも目を向けながら柔軟に取引に臨みたいです。