FXレポート

今後の円安進行の行方は、米FOMC通過でマーケットは転換点を迎えるか

-先週サマリー-
 先週のドル円は128.73円でスタート。先週末に米株相場が大きく崩れたことや、中国北京でもロックダウン措置が実施されるとの懸念などから、序盤から市場のリスクセンチメントの悪化が目立ちました。久々にリスクオフの円買いが全面に出る展開の中で、前週に2.97%付近まで上昇した米長期金利が2.70%台まで低下したことも重しに、ドル円は一時126.93円まで下落しました。ただ、週の中盤からは一転上昇に転じた米長期金利に連れてドル円もじりじりと上値を試し128円台を回復、注目の日銀金融政策決定会合を迎えました。その金融政策決定会合では、日銀は長期金利上昇を抑える指値オペ強化を発表、日米金利差拡大への思惑から再び円安が急加速するとドル円は節目の130円台を突破、一時131.24円まで上昇しました。その後は、月末・週末の調整的な動きに押されるなどドル買い一服、ドル円は節目を割り込み129.85円で取引を終えました。

-今後の円安進行の行方は、米FOMC通過でマーケットは転換点を迎えるか-
 本日のイベントは、米ISM製造業景況指数が予定されており、英国・南アフリカ・トルコ・中国・香港・ロシア・シンガポールが休場となっています。
 先週28日の日銀金融政策決定会合では、従来の金融緩和維持と長期金利上昇を抑える連続指値オペの強化・明確化が示されました。マーケットの一部ではフォワードガイダンスや足元の急激な円安進行に対応する何かしらの政策修正を予測する声もあっただけに、今回の決定はそれらの観測を一蹴する格好で、今後の更なる円安進行を予期させています。目先のドル円に関しては、一先ず2002年の高値135.70円付近が目途となりそうですが、先週、131円に乗せたタイミングでは、本邦財務省幹部から「為替の足もとの動きは極めて憂慮すべき、必要な場合には適切な対応を取る」との発言が伝わりました。これまでの円安牽制の表現から一段レベルアップした印象も受けますので、円安加速局面では当局者発言のトーンの変化なども注視して見極めていきたいです。
 一方で、今週はいよいよ米FOMC(5/4)を迎えます。直前まで思惑による値動きが想定されるほか、直後はSell the factでドル売りに傾く展開も考慮しておきたいです。一旦のマーケット転換点を迎えるか、今週のメインイベントに要注目となります。また、中国主要都市でのロックダウン措置も引き続きホットな話題です。中国当局は厳格な「ゼロコロナ」政策を維持しおり、上海に続き北京での一部ロックダウン実施によって中国経済の不透明感が指摘されています。加えて米FRBの積極的な金融引き締め姿勢も重なり、世界的なリセッションシナリオも浮上しており、当面のダウンサイドリスクとして留意して取引に臨みたいです。

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