日銀、政策修正の思惑はいかに
-前日サマリー-
東京市場のドル円は127.23円でスタート。ドル円は7時頃に一度仕掛け的な売りが入り、126.93円まで下落したものの、反発。午後には日銀が連続指値オペの実施を発表したことや米10年債利回りのが上昇したことを受け、ドル円は128.09円まで上昇しました。しかし、欧州市場ではドル買いが一服し、もみ合いの展開を維持したまま、NY市場に突入しました。米長期金利の上昇とともに、ドル円は一時128.58円まで上昇しましたが、その後は伸び悩み、最終的に128.43円で取引を終えました。
-日銀、政策修正の思惑はいかに-
本日のイベントは、ニュージーランド貿易収支/ANZ企業景況感、日BOJ政策金利&声明発表/日銀展望レポート/黒田日銀総裁定例記者会見、欧経済信頼感/消費者信頼感(確定値)、独消費者物価指数(速報値)、米新規失業保険申請件数/第1四半期GDP/個人消費/7年債入札が予定されています。
本日特に注目したいのが、日銀の金融政策決定会合です。市場では、26日の鈴木財務相の発言から、為替介入の警戒感が遠のいていますが、その分、日銀の金融政策の見通しに焦点が当てられそうです。
今回の日銀の金融政策については、YCC(イールド・カーブ・コントロール)バンド幅の変更の有無に関心が集まります。現在、本邦の10年債利回りの変動幅は±0.25%程度に抑え込まれていますが、目先の金利上昇圧力を受けて、市場ではYCC政策の弾力化、すなわちバンド幅の拡大の思惑がくすぶっています。
昨今のドル円相場の上昇は、日米長期金利差の拡大が寄与していると考えられます。そして、YCC政策はいわば長期金利の固定化政策であり、米国の長期金利が上昇する中で、日銀がこの政策を続けることが、円安を促した一つの要因とも言えそうです。このことを踏まえると、円安への対抗策として、日銀が政策修正を実施した場合には、相場への大きなインパクトとなりえます。そのため、黒田日銀総裁の記者会見での発言も含めて、日銀の金融政策の変更に関する内容が伝わった際には、円買いの動きに対応できるよう準備して取引に臨みたいです。