ニュージーランド政策金利、0.5%利上げのサプライズならレンジ相場のAUDNZDは転換点を迎えるか注目
-前日サマリー-
東京市場のドル円は125.36円でスタート、鈴木財務相の「急激に変動することは望ましくない」との発言が円安けん制発言と受け止められドル円は125.55円から125.11円へ急落しましたが反応は一時的でした。ロンドン市場では、米長期金利が2.83%へ上昇したことでドル買い優勢、ドル円は一時125.75円の直近高値付近まで上昇しました。ニューヨーク市場では、米消費者物価指数でコアCPIが前年比+6.5%(予想+6.6%)と市場予想ほどインフレが加速していなかったことでドルが売られ、ドル円は125.53円から124.77円へ一時急落、ただ高インフレを抑えるためにFRBが金融引締めに動くとの見方に変化はなくドル円は125.40円まで反発して取引を終えました。
-ニュージーランド政策金利、レンジ相場のAUDNZDは転換点を転換点となるか注目-
本日のイベントは、中国貿易収支、NZ政策金利、英消費者物価指数、黒田日銀総裁発言、米卸売物価指数(PPI)、カナダ政策金利、米金融大手決算発表が予定されています。
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利の市場予想は、現在の1%から「1.25%への利上げ」と「1.5%への利上げ」で割れています。前回2月会合で発表された声明では、「0.25%と0.50%で微妙なバランスの決定だった」とあり、RBNZ政策メンバーの中でもどの程度金融引締めを行うかで意見が割れていたことが確認されています。そのため、今回「1.25%への利上げ」となった場合、ネガティブサプライズに感じる市場参加者が一定数いることが考えられるため、NZドルの下落圧力は大きいと考えられます。一方で、「1.5%への利上げ」が行われる場合や、前回会合でアナウンスされた「7月から年間50億NZドルペースでの保有債券の売却(量的引締め・QT)」の早期実施や売却規模拡大などの決定が行われた場合は、NZドルの上昇圧力が大きいと考えられます。
足元のマーケットでは、NZドル円やNZドル米ドルの通貨ペアだと円や米ドルの変動率が非常に大きくなっているため、政策金利発表によって形成されるだろうトレンドが打ち消されることが考えられます。一方で、レンジ相場が形成されやすいと考えられている豪ドルNZドルは、1.02NZドルから1.10NZドルの長期レンジの上限近辺を推移していることから、政策金利発表で市場予想よりタカ派な決定がされた場合は中長期的なショート(豪ドル売りNZドル買い)が正当化される可能性もあります。RBNZを震源地としたサプライズ相場を想定して、本日は取引に挑みたいです。