米消費者物価指数、インフレ加速なら一段とドル高・株安か
-前日サマリー-
週末のフランス大統領選ではマクロン大統領が優勢のまま決選投票に向かう見込みとなり、ユーロ円が先週末の135.19円から135.56円へ上昇したユーロ高の地合いで東京市場はスタート、黒田日銀総裁が金融緩和姿勢を示したことで円売り優勢の流れとなり、ドル円は124.34円から124.99円まで上昇しました。欧州市場では、黒田日銀総裁以外の日銀当局者からも「円安がプラス」との発言が出たことで円売りは加速、ドル円は直近高値を大きく上回る125.76円まで上昇しました。ニューヨーク市場では、ここまで大きく売られた円の持ち高調整の動きからかドル円は125.36円まで下落して取引を終えました。
-米消費者物価指数、インフレ加速なら一段とドル高・株安か-
本日のイベントは、英失業率、黒田日銀総裁発言、独ZEW景況感調査、米消費者物価指数(CPI)、ブレイナード次期FRB副議長発言、米10年債入札が予定されています。特に注目すべきは、米消費者物価指数(CPI)となります。
米国の主に都市部を対象としたインフレ指標であるCPIは、今月発表分からロシア・ウクライナ戦争開戦後の期間を対象にしています。市場予想は前月比で総合CPIが+1.2%(前回+0.8%)、コアCPIが+0.5%(前回+0.5%)となり、おおむねインフレ加速が予想されています。足元のマーケットは、ハト派として知られるブレイナード次期FRB副議長をはじめ多くのFRB要人が5月FOMCで「0.5%利上げ」「バランスシート縮小開始」に前向きな考えが材料とされ、「金利上昇(国債価格下落)・ドル高・株安」の方向へ勢いづいています。市場は5月FOMCでの「0.5%利上げ」を85%程度織り込み済み(4/11・Fed Watchより)ですが、CPIの結果から市場予想よりもインフレが進んでいると確認できたなら、「0.5%利上げ」を市場が完全に織り込む可能性があり、「金利上昇・ドル高・株安」の流れが加速することも考えられます。また可能性は低いですが、市場予想が外れてインフレ減速が確認された場合は、足元で大きく上昇しているドル円の下落圧力は強力になることも考えられます。米国のインフレ動向を丁寧に確認して、本日は取引に挑みたいです。