日米の対称的なスタンス
-前日サマリー-
東京市場のドル円は、122.15円でスタート。日銀が10年債の指値オペ(0.25%で買入額は無制限)を通告したことで日米の金利差拡大の思惑から急激に円安が進行、123.07円まで上昇しました。その後、31日までの指値オペ継続を発表したことでドル円は上げ幅を広げ、125.09円まで上昇しました。欧州市場では、以前黒田日銀総裁が円安に懸念を示した125円台(黒田シーリング)に到達した後、円安は一服し調整的な売りで123.38円まで下落しました。NY市場では、米長期金利が2.42%台まで低下したことも重しとなり、調整売りの流れは継続し123.15円まで下落するものの、その後は引けにかけて押し目買いが入り123.87円で取引を終えました。
-日米の対称的なスタンス-
本日のイベントは、日失業率、日BOJ意見公表、豪小売売上高、米ウィリアムズ・NY連銀総裁の発言、米消費者信頼感指数、米ハーカー・フィラデルフィア連銀捜査員発言、米7年債入札が予定されています。
直近のFRBボードメンバーの発言を振り返ると次会合(5月)で0.50%利上げに前向きな発言が散見されています。本日2名のボードメンバーの発言が予定されていますが、ウィリアムズ総裁は先週既に「0.50%の利上げが適切であればそうする」と発言しているため、ハーカー総裁の発言に注目したいです。同総裁は、2月1日時点では年内4回の利上げが適切との見解を示していました。その後は目立った発言がないため、ウクライナ侵攻や足元の高インフレを踏まえた上で、直近のスタンスを確認しておきたいです。
利上げ加速の観測が高まるアメリカとは対称的に、日本は31日まで指値オペを継続するなど緩和姿勢を崩しません。昨日は大幅に円安が進行するも、黒田シーリングとされる125円台に到達後は大きく調整が入りました。再度125円を試すような展開となれば、黒田日銀総裁の発言に注目が集まります。「円安が全体として日本経済にプラスとの構造に変わりない」という発言が繰り返されるか、円安を懸念する発言をするのか、要注目です。