FXレポート

ロシアのウクライナ侵攻から1か月、欧米の景気先行きをPMIから占う

-前日サマリー-
 東京市場のドル円は120.77円でスタート、日経平均が600円を超す上昇で始まったことを受けて円売りが加速、ドル円は一時121.40円まで上昇しました。欧州市場では、主要国株価指数下落とプーチン大統領が敵対国家にガス代をルーブル建てで支払うよう要求したと伝わったことでリスクオフムードの地合い、為替市場では欧州通貨が売られて、ユーロ円は133.69円から132.33円へ大幅下落しました。ニューヨーク市場では、複数の米連銀総裁による0.5%利上げに前向きな発言が伝わり再び円が売られ、ドル円は120.66円から121.13円まで戻して取引を終えました。

-ロシアのウクライナ侵攻から1か月、欧米の景気先行きをPMIから占う-
 本日のイベントは、日銀政策決定会合議事要旨、欧米各国PMI、南ア政策金利、スイス政策金利、ノルウェー政策金利、メキシコ政策金利、米失業保険、米耐久財受注、ウォラーFRB理事発言、ブラード・セントルイス連銀総裁発言、ロシア株式市場一部再開、EU首脳会議、NATO首脳緊急会議が予定されています。特に注目すべきは、欧米各国のPMIとなります。
 欧米各国のPMIは17時15分のフランスから発表が始まります。PMIは企業の「購買担当者景気指数」と呼ばれ、今後の景気動向を占う先行指数で、数値が50を上回ると改善・50を下回ると悪化と判断できるものと、一般的に考えられています。今回発表されるのは3月分で、ロシアがウクライナ侵攻を開始した2月24日以降の景気見通し変化を確認することになります。最新の市場予想(製造業)を確認すると、フランスは55.0(前回:57.2)、ドイツは55.8(前回:58.4)、ユーロ圏は56.0(前回:58.2)、英国は56.7(前回:58.0)、米国は56.3(前回:57.3)と、前回よりも改善幅は小さいものの、節目の50を下回ることはないだろうと考えられています。しかし、予想に反してロシアと関係が近い欧州各国などでPMIが50を下回る場合は、市場が考える以上に将来の景気が悪くなると考える企業が多いとみなされ、ネガティブサプライズが大きいと考えられます。ロシアのウクライナ侵攻からちょうど1カ月、欧米主要国の景気先行きを占う意味で、欧米各国のPMIに注目して、本日は取引に挑みたいです。

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