ドル円節目の119.50円突破なるか
-前日サマリー-
東京時間のドル円は119.15円でスタート、東京市場は春分の日で休場のため方向感に乏しく、119.30円付近では上値が重い展開となりました。欧州時間でもレンジ内での動きは変わらず、ラガルドECB総裁から利上げを急がない従来の姿勢が再確認されました。NY時間ではパウエル議長の講演から次回FOMCでの0.5%利上げを示唆する発言を受け、前週高値を突き抜けると119.46円まで上昇しました。また米長期利回りが2.3%を上回ると、取引終了間際に前日高値119.49円を付けました。
-ドル円節目の119.50円突破なるか-
本日のイベントは、豪ロウRBA総裁の講演、欧ラガルドECB総裁の講演、米リッチモンド連銀製造業指数、米ウィリアムズNY連銀総裁の講演、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁の講演、メスター・クリーブランド地区連銀総裁の講演が予定されています。昨日は米バーキン・リッチモンド連銀総裁とパウエルFRB議長の発言から0.5%の利上げについて言及があり、ロシア、ウクライナ情勢の悪化に伴うインフレ率の上昇が想定を超えた事態になるとの見方から必要に応じて0.5%の利上げと毎会合の利上げ実施の可能性がタカ派サプライズとなりました。本日もFRB高官による発言が相次ぐため、バランスシート縮小及び利上げの動向からタカ派寄りの発言が確認されれば心理的節目の1ドル119.50円を超えて120円突入に期待がかかります。
欧州では前週に発表された投資家やアナリストを対象とした景況感指数が予想を大きく下回る結果となったことから、ウクライナ情勢による資源高の影響がスタグフレーション(物価上昇と経済活動の停滞)に繋がる可能性があると意識しています。ロシアへの経済制裁による影響が大きい欧州では足元のウクライナ情勢の悪化の影響がユーロに大きく反映される傾向が強いため、先行き不透明感から売りが入りやすい環境が続きそうです。さらにラガルドECB総裁からは利上げに関してFRBに追従しない旨を再度明らかにしたことから、欧州の金融引き締めに慎重な姿勢と米国の積極的な利上げ姿勢からドル買いが進行する地合いが続きそうです。そのため本日はドル円119.50円に向けた動きに注意して取引に臨みたいです。