米、ロシア産原油輸入禁止を発表、原油価格上昇の影響は
-前日サマリー-
東京市場のドル円は115.28円でスタート。朝方のドル円は小動きで推移していたものの、この日安寄りした日経平均が2万5000円台を回復するのを眺めながら、仲値発表後にドル買い円売りの動きが入り、ドル円は115.48円まで上昇。欧州市場では、米長期金利の上昇を支えに、ドル円は堅調に推移し、115.64円まで上値を伸ばしました。ニューヨーク市場に入ると、米長期金利の伸びと欧州株式相場の底堅さが重なって、ドル円は一時115.75円まで上昇しました。その後は米国株の失速の影響を受けてか、ドル円は一時115.42円まで下落しましたが、対ユーロなどのドル持ち直しが支援となり、最終的には115.64円で取引を終えました。
-米、ロシア産原油輸入禁止を発表、原油価格上昇の影響は-
本日のイベントは、豪ロウRBA総裁の発言/ウエストバック消費者信頼感指数/デベルRBA副総裁の発言、日第4四半期GDP/GDPデフレーター(二次速報)、中消費者・生産者物価指数、メキシコ消費者物価指数、露消費者物価指数、米JOLT労働調査/週間原油在庫/10年債入札が予定されています。
昨日米バイデン大統領から、アメリカはロシア産の原油・ガス・エネルギーの輸入を禁止するとの発表がありました。合わせて、イギリスもロシア産の原油の輸入を2022年末にかけて段階的に禁止するとの報道もあり、原油価格の上昇圧力が高まりました。エネルギー調査会社のライスタッド・エナジーは、アメリカに続いてヨーロッパ諸国もロシア産原油の輸入を禁止すれば原油価格は1バレル200ドルまで上昇するとの見方を示しています。
原油価格の上昇はあらゆる物価に影響を与えるため、各国でインフレ圧力が強まることが予想され、インフレを理由に各国の中銀はタカ派姿勢を強めると考えられます。そんな中、来週15・16日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催が予定されています。先週4日に発表された米雇用統計では、平均時給が市場予想を大きく下回り、インフレ圧力が後退したとの一部指摘がありました。しかし、今回のロシア産原油輸入禁止の発表を受け、高インフレが懸念され、FRBは利上げを余儀なくされたと言えそうです。また、米金融・債券市場では、欧州連合が大規模な共同債の発行を検討しているとの報道が伝わり、国債に売り圧力がかかっています。本日は米10年債入札が予定されていますが、米長期金利の上昇が観測されれば、FRBの利上げ期待と合わせて、ドル買いの材料となると考えられるため、ウクライナ情勢の緊迫化によるリスクオフの円買いには警戒しながらも、ドル円の上昇を狙って取引に臨みたいです。