FXレポート

ロシア経済制裁でドル需要増加中、パウエルFRB議長は米金融引締め姿勢を貫くか注目

-前日サマリー-
 東京市場のドル円は114.98円でスタート、日経平均が400円高超でリスクオフ一服の地合いで始まり、東京仲値にかけて115.28円まで一時上昇しました。欧州市場では、ロシア側の要人による態度を硬化させた発言が相次ぎ、またウクライナへの攻撃激化のヘッドライン伝わると欧州通貨が売られる展開、ユーロ円は129.17円から127.94円まで下落しました。ニューヨーク市場では、ロシア軍がキエフ(ウクライナ首都)を標的とした攻撃を行ったと伝わりリスクオフは加速、ユーロドルが2020年6月ぶりに一時1.109ドルを割れるなど、ドル高・円高の流れで取引を終えました。


-ロシア経済制裁でドル需要増加中、パウエルFRB議長は米金融引締め姿勢を貫くか注目-
 本日のイベントは、豪GDP、欧消費者物価指数、米ADP雇用統計、カナダ政策金利・BOC声明、パウエルFRB議長下院議会証言、米週間原油在庫、米ベージュブック、OPECプラス会合、EU財務相緊急会合、ロシア・ウクライナ停戦協議(2回目)が予定されています。
 ロシアがウクライナへの攻撃を激化させている地合いで行われるパウエルFRB議長の下院議会証言には注意が必要です。主要国が行うロシア経済制裁の副作用として、マーケットではWTI原油価格が一時106.78ドル(2014年ぶり水準)へ急上昇しているほか、金融機関のドル調達コストの指標の一つであるベーシススワップがドル円3カ月物だと2年ぶり高水準へ急上昇しています。
 原油高については昨日、日米欧などが原油備蓄を協調放出することで価格上昇を抑えるために動き出します。本日の構成国にロシアを含むOPECプラス会合では、従来通りペースでの増産が予想されていますが不透明感はあります。
 ドル需要の増加については、今月16日のFOMCで予想されている利上げによって一層の逼迫が考えられます。今夜のパウエルFRB議長議会証言では、「金融システムの安定化」や「ドル流動性確保」などの目的で金融引締め軟化を連想させる発言が質疑応答などで確認される場合には、足元でドル高展開が続いてきたことから、ドル売りの反動が大きいだろうと考えられます。重要イベントが多数控える本日は、為替市場の動向を占う意味でパウエルFRB議長の議会証言に焦点を当てて、取引に挑みたいです。

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