激化するウクライナ問題、制裁に対するロシア側報復の影
-前日サマリー-
東京市場でのドル円は115.47円でスタート。日経平均株価が大幅に反発して始まるとクロス円とともに買いが入り、一時115.61円まで値を上げました。しかしながらダウ先物がウクライナの首都キエフで大爆発との報道で170ドル前後下落したことで、ドル円は一時115.26円まで下落、その後も下落は続き115.15円まで続落しました。ロンドンスタート時点ではドル円にやや買い戻しが入り、115.38円での推移、時間外の米10年債利回りが2.01%台まで上昇したことも相場の下支えに。本日高値の115.62円まで上値を伸ばしました。ニューヨークスタート時点では、115.62円と引き続きドル高水準調整の下押しも115.47円付近までと小幅に留まり、700ドル超高と堅調なダウ平均を眺めながら、リスクオンの円売りに押されて再び115.60円台を回復しました。その後いったん115.70円をタッチするも調整売りが入り、115.53円で取引を終えました。
-激化するウクライナ問題、制裁に対するロシア側報復の影-
本日のイベントは、豪1月小売売上高(前月比) トルコ、スウェーデン、スイスからGDPの発表そして南アフリカで貿易収支が控えており、米国以外の指標の発表が主体となります。マーケットは株価指数の大幅反発をきっかけに一定の落ち着きを取り戻しており、先週の頭ごろに見受けられたリスクオフの雰囲気はいったん退きました。また、ドル円も115円半ばでの水準を安定的に推移するようになり、一定の強さを取り戻していることがうかがえます。しかしながら、ウクライナ情勢は悪化の一途を辿っており、ロシアからの爆撃によって民間人を含め57名の死者がウクライナ側で出るなど決して良い状況ではないことは確かです。また、制裁としてロシアをSWIFTからの排除しようとする動きが鑑みられるなど世界からロシアに対しての経済制裁が一層過激化しており、それに対するロシア側も制裁を行おうとしている国に対し報復する姿勢を見せていることから、ファンダメンタルズとしては依然最悪な状態です。マーケットは一見落ち着きを取り戻したかのように見えますが、今週以降もこの緊張状態は続くものと想定され、今後追加されるであろう制裁の内容、またロシア側がウクライナだけでなく、制裁に携わった国に対しさらなる牙をむけるような報復に出れば、瞬く間に市場はリスクオフの流れに突入し円高リスクが高まることが考えられますので、下落への警戒は引き続き必要になるかと思われます。