今週は米CPIが更なるドル高余地を占う山場となるか
-先週サマリー-
先週のドル円は115.28円でスタートも、1月FOMC後のドル買いの巻き戻しが優勢となる形で軟調に推移、2日の米ADP雇用統計が市場予想を大きく下回ったことでドル売りが加速すると一時114.15円付近まで下落しました。翌3日には英中銀(BOE)と欧州中銀(ECB)の政策金利が発表され、BOEは市場予想通り0.25%から0.5%へ利上げを決定、またECBは金融政策の大きな変更はないものの、ラガルドECB総裁がこれまでの慎重姿勢から一転して年内利上げも否定しないスタンスを示したことでポンド、ユーロ高が進行しました。週末4日には米雇用統計が発表、先のADP結果もあって一層注目が集まりましたが、非農業部門雇用者数が前月比46.7万人増と予想15.0万人増を大幅に上回るなど強い結果となったことで全般ドル買いが優勢に、直後2年超ぶりの高水準まで上昇した米10年債利回りも支えにドル円は115.42円まで上昇し、115.20円で取引を終えました。
-今週は米CPIが更なるドル高余地を占う山場となるか-
本日のイベントは、豪小売売上高、中財新サービス業PMI、独鉱工業生産、欧ラガルドECB総裁発言が予定されており、ニュージーランドとメキシコが祝日休場となっています。
先週、注目された1月米雇用統計は総じて予想上振れの強い内容で、1月ADP雇用統計とは対照的な結果となりました。また、インフレ懸念が高まっている状況下で平均時給も注目される中、前月比0.7%上昇/前年比5.7%上昇と共に予想を上回るなど、FRBの利上げを後押しする材料が出揃ってきています。そのような中、今週は10日に米1月消費者物価指数(CPI)が控え、更なるドル高余地を占う山場となりそうです。CPI及びCPIコア指数共に前月比では鈍化予想も、FRBが掲げる中長期的な目標である平均インフレ2.0%を大きく上回るインフレ率が続いています。雇用統計結果を受け、初回利上げ幅50bp予想を織り込む動きも過熱感を増しているだけに、仮に予想通り通過でも高水準のインフレをみて、先の利上げ幅が正当化される形でドル高地合いを一段押し上げる可能性も想定されそうです。BOEが2回号連続の利上げ、ECBもタカ派スタンスへと転じるなど各国中銀が動きを見せる中、米FRBの今後の立ち回りにますます注目です。