地政学リスクの不安漂う中で開かれるFOMC
-前日サマリー-
東京市場でのドル円は113.93円でスタート。序盤からドル円は伸び悩み、瞬間114円台を回復する場面こそ見られたものの、ウクライナ情勢を巡る緊迫化が依然として株式相場の重しとなり日経平均株価が580円超の下落を見せそこから円高が進行、ドル円は一時113.67円まで下押しました。ロンドン市場では、ドル買いがやや進んだことで114円台を回復、時間外で動いていたダウ先物が下げ幅を縮小し前日から続いていたリスクオフの雰囲気がやや落ち着きを見せました。ニューヨーク市場時点でのドル円は113.86円と再び114円割れ。米国の早期金融政策正常化への警戒感やウクライナ情勢への懸念でダウ平均が一時770ドル超下落と再度リスク回避の動きにシフトしました。その後は113.90円付近を上下3pipsでのレンジで推移しながら最終的に113.84円で取引を終えました。
-地政学リスクの不安漂う中で開かれるFOMC-
本日のイベントは、日銀の意見公表、カナダの政策金利発表、そしてFOMCが控えています。ロシアによるウクライナへの侵攻懸念から、ヨーロッパを中心とした各国が警戒態勢に入っており、マーケット全体も依然冷え切った雰囲気をだしてます。日本政府からもウクライナ全土の危険情報をレベル3の「渡航中止勧告」に引き上げ、アメリカとイギリス両政府からも、大使館職員の家族に対し国外への退避命令が出ています。また、「ただの脅しというよりは、ロシアによるウクライナへの侵攻はいつでも侵攻可能というレベル」まできており、「予測不可能で予告なく悪化する恐れがある」と言われています。米国株価指数も乱高下を続けてる上、VIX指数も依然上昇しており、このような地政学リスクから起こりうる市場のリスク回避への動きには引き続き警戒が必要です。
一方で、本日開催されるFOMCではテーパリング、利上げ、QTの開始時期、そして過去数十年ぶりの高インフレをどのように沈静化させるか、この4点が明日の議論の主な焦点となります。また、利上げ幅については通常であれば0.25%のところ、0.50%の可能性があるとの見方もあり、仮に今回で上げ幅が0.50%である旨のタカ派寄りの発言があった場合、これが好感されドルの強力な買い材料なることも考えられます。
しかしながら、アメリカでもオミクロン株の大流行により、この変異株が経済の鈍化を再び引き起こしているのも事実です。したがって今回の会合では、オミクロン株による経済への影響と高インフレを踏まえながら、金融の引き締めをどう進めるかが最終的な議論になるであろうと考えられます。