FOMCバランスシート縮小に言及、ドル高圧力増大の可能性
-前日サマリー-
東京市場のドル円は116.12円でスタート、年明け急速に上値を伸ばしたドル円は反動でドルが売られる展開、ドル円は115.91円までドル安になりました。欧州市場では、利益確定と持ち高調整のドル売りが対欧州通貨で加速してドル円は一時115.63円まで下落、その後115.93円まで反発するも米ADP雇用統計が雇用者数+70.7万人と予想(+40万人)を大きく上回ったことがリスクオンのドル売り材料とみなされ、ドル円は再び115.68円まで下落しました。ニューヨーク市場では、FOMC議事要旨でバランスシートを前回より速く縮小する可能性とペースの速い利上げの可能性が示されて市場はドル買いで反応、ドル円は116.02円から116.18円までドル高へ、そのままの流れでドル円は116.12円で取引を終えました。
-FOMCバランスシート縮小に言及、ドル高圧力増大の可能性-
本日のイベントは、中国サービス業PMI、欧卸売物価指数、独消費者物価指数、米失業保険、米ISMサービス業景況指数、米デイリー・サンフランシスコ連銀総裁発言、米ブラード・セントルイス連銀総裁発言が予定されています。
FOMC議事要旨では、「バランスシート縮小」についてこれまで想定されていたよりも議論されていたことがサプライズでした。「バランスシート縮小」とは、FRBがリーマンショック以降の金融緩和やパンデミック対応の金融緩和フェーズで市場から大規模に買い入れてきた米国債とMBS(住宅ローン担保証券)について、FRB保有金額を減らしていくことを意味します。前回のFRB金融引き締め局面では、2015年12月に初めて利上げ、約2年後の2017年10月から2019年9月まで「バランスシート縮小」の期間で、FRBはこの2年間でバランスシートを4.4兆ドルから3.7兆ドルへ、月平均で300億ドルずつのペースで縮小させてきました。昨夜公表されたFOMC議事録では、「バランスシート縮小」の早期開始に前向きな意見が目立ち、前回2017年よりも速いペースで行う可能性が示され、また一部の当局者から米国債よりもMBSの削減を先に進めるべきと主張された内容でした。今年のFOMCでは「いつ利上げを始めるか」「何回利上げを行うか」に加えて、「バランスシート縮小をいつから、どれくらいのペースで行うか」についても注目して、FRBの金融引締め姿勢を見極めるものとなりそうです。為替についても、年内に行われる米国金融引締めの幅が増えたことから、ドル高圧力が強まるシナリオを想定して取引に挑みたいです。