「フラッシュクラッシュ」ドル円の急騰の可能性
-先週サマリー-
先週のドル円は114.35円でスタート、2021年最終週ということで米国への資金還流のドル買いの流れが続いて、週後半にかけてドル円は115.20円まで上昇、約1か月ぶり高値まで反発しました。週末金曜日の東京市場は、大晦日で祝日だったことから値動きは限定的で115.03円から115.10円のレンジ相場となりました。欧州市場では、年末のポジション調整の動きから欧州通貨買い・ドル売りの流れがドル円にも波及して、ドル円は115.15円から一時115.01円まで下落する場面もありましたが、ドル安は一時的でした。ニューヨーク市場では、ロンドンフィックスにかけてドルが買われドル円は115.02円から115.19円まで急上昇、その後は小幅な値動きにとどまり、ドル円は115.06円で取引を終えました。
-「フラッシュクラッシュ」ドル円の急騰の可能性-
2022年初日に当たる本日のイベントは、トルコ消費者物価指数、スイスPMI(速報値)、欧米各国PMI(改定値)が予定されています。また、日本、中国、オセアニア、英国が祝日休場で、米国はオープンするスケジュールとなっています。
年はじめの相場では「フラッシュクラッシュ」にたいして取引参加者の多くが警戒していると考えられます。近年だと2019年1月3日にドル円が5分程度で約4円急落しました。前日に米アップルが売上見通しを下方修正したというヘッドラインもありましたが、主な原因は取引参加者が少ない地合いの中でアルゴリズム取引と高頻度取引が重なり、クラッシュしたともいわれています。また、当時は前年12月にドル円が約4円下落した安値引けで取引を終えており、ロスカットを巻き込みやすい地合いだったことも値動きを大きくした一因だったと言われています。
昨年12月末のドル円は、年初来高値からは50銭ほど低いながらも115.06円の高値引けでした。日米の金融政策を比較すると、米国は今年3月にテーパリング完了して年内3度の利上げがあるとFOMCで見通しが発表されていますが、日本は金融緩和を継続していくと日銀はアナウンスしています。ファンダメンタルズ面を見てもドル買い円売りになりやすい金融政策の差があり、ドル円は高値引けした水準で2021年相場を終えている中で、流動性が低下した年初相場を迎えることになるため、ドル円の急騰という形でクラッシュが起こる可能性も否定できません。「フラッシュクラッシュ」再来に警戒しながら、本日は新年相場の取引に挑みたいです。