今年最後の為替市場
-前日サマリー-
東京市場のドル円は114.95円でスタート、日経平均株価が軟調に推移する一方で、ドル円は年明け以降のドル高を見越した買い優勢の展開で午前には115円台を回復、勢いのまま午後には日通し高値の115.20円まで上昇しました。欧州市場では節目115円は死守、高値の突破を何度か試みるも跳ね返される展開で上値の重さが目立ちました。また、21時にはホルツマン・オーストリア中銀総裁がインフレ率の動向について言及するも市場の反応は限定的でした。NY市場では、米失業保険継続受給者数がコロナ禍前の水準まで戻ったことが伝わると、市場ではオミクロン変異株の雇用への影響は限定的という見方が広がり、ダウ平均は再び最高値を更新しました。ただ、ドル円の115.20円の壁は厚くその後はもみ合い、115.05円で取引を終えました。
-今年最後の為替市場-
本日のイベントは、12月中国PMIの発表が予定され、東京、ドイツ、スイス、ノルウェー市場が休日となります。
年末で市場参加者が少ない薄商いでの取引から値動きは限定的となりそうですが、昨日は米長期金利が方向感を持って大きく下げる場面もあったことから、本日も動向に警戒したいです。また、既に年明けのFRB早期利上げ観測や10、30年債入札に向けた利回り水準の調整圧力から金利上昇に期待がかかっていますが、ウクライナ情勢を巡る米露関係の悪化や新型コロナ感染者拡大による懸念が再び膨らみ、1.5%の利回りから大きく下回る展開となるとドル円は下げに転じる場面があるかもしれません。一方で、NYダウ、S&P500が再度高値を更新したことや増産ペースの維持を見込んだ原油価格の上昇からリスクオンの地合いは継続すると考えられます。ドル円は流動性が低下する中でも底堅く推移しており、昨日跳ね返された115.20円を抜け、オミクロンショックとなった11月26日高値115.37円を試す展開に期待したいです。本日は来年米露電話会談、新型コロナのヘッドラインと米長期金利の動向に警戒しつつ取引に挑みたいです。