方向感の出にくいドル
-前日のサマリー-
東京市場のドル円は114.85円でスタートし、株式市場では約2週間弱ぶりに日経平均株価が2万9000円、TOPIXは2000ptの大台に乗せるなどリスクオンの流れが強まりました。これらを支えにドル円は前日高値付近114.94円まで一時上昇しましたが、その後は本邦輸出勢の断続的な売りに押される形で上値が重たい展開となりました。欧州市場では、英国休日で閑散とした商いの中でドル安が進行し、ドル円は一時114.75円まで下落しました。その後は米長期金利の上昇に伴い114.89円まで回復、ただNY市場に入り利回りが低下となると、ドル円は114.70円と日通し安値をつけました。米5年債入札が無難に通過すると、再びドルが買われるも伸び悩み、114.80円で取引を終えました。
-方向感の出にくいドル-
本日のイベントは、米11月住宅販売保留指数、米7年債入札、露7-9月期実質国内総生産(確報値)、露11月失業率、露12月消費者物価指数が予定されています。本日も材料としては乏しいながらも、海外勢の休暇明けとなることを踏まえると、現状のリスクオン地合いは継続するとの見方が多くなっています。昨日同様に、年末のポジション調整的な動きを想定しながら、米株式相場などからリスク許容度を推し量っていきたいところです。また、オミクロン株の感染には厳しい制限を設ける必要がないとの楽観的な観測が市場に広がってきていますが、商いが手薄の中では関連ヘッドラインに注視しておきたいです。値動きが一辺倒に傾きにくいと思われるため、ドル円は114.70-115.00円程度のレンジ範囲での取引に妙味がありそうです。