FXレポート

中銀イベントウィークの締めくくり、日銀金融政策決定会合に注目

-前日サマリー-
 東京市場のドル円は114.01円でスタートし、序盤に114.24円まで上値を伸ばすもその後はもみ合い、節目を維持して底堅い推移となりました。欧州市場では、中銀の政策金利発表を複数控え材料豊富な中、ドル円は高値水準を維持、引き続き狭いレンジ相場に終始しました。午後にはBOE(英中銀)政策金利が発表され、据え置き予想優勢ながら利上げ(0.10→0.25%)となったことでポンド相場が急伸、ポンド円は一時151.58円から152.62円付近まで上昇となりました。また、すぐ後にはECB(欧州中銀)政策金利が発表となり、予想通り来年3月でのパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)終了が再確認されました。加えて、来年のインフレ見通しの大幅な上方修正が示されたことなどから、こちらも一時ユーロ買いを強める反応となりました。ただ、NY市場に入ると、「米国が生体情報を使った集団監視に関与したとして中国の複数機関に制裁を科す」とのニュースが伝わり、米中対立懸念から全般円高圧力が強まりました。米10年債利回りの低下なども重しにドル円は113.56円付近まで下落、その後も流れは変わらず113.69円で取引を終えました。

-中銀イベントウィークの締めくくり、日銀金融政策決定会合に注目-
 本日のイベントは、日BOJ政策金利・声明発表/黒田日銀総裁会見、英小売売上高、独IFO企業景況感指数、欧消費者物価指数(確報値)、ロシア中銀政策金利、米ウォラーFRB理事発言が予定されています。
 昨日は各国の政策金利祭りとなりましたが、特段、今回は見送られるとみられていたBOE(英中央銀行)の利上げサプライズに市場は反応しました。コロナショック以降、主要国中銀が利上げに踏み切るのは今回初であることから、経済・景気回復を示す象徴的な一歩となった印象です。利上げ決定についてベイリー総裁は中期的なインフレリスクを指摘し、今回行動を余儀なくされたと発言していますが、市場では既に来年3月会合までの追加利上げを織り込みむ動きを見せており、今後もポンド買いを促す展開となりそうです。
 このような世界的な動きの中で本日は、年内最後の中銀イベントウィークの締めくくりとして、正午前後に日銀の金融政策決定会合と黒田総裁の会見が控えています。オミクロン株の内外経済への影響や世界的な原材料価格の高騰をはじめ、来年3月末期限の資金繰り支援策の延長の行方に注目が集まっています。情報ベンダーにおける予想では、資金繰り支援策は規模や内容を縮小した上で延長、また量的質的金融緩和政策については維持との見方が多数となっています。無難な通過も想定されますが、欧米主要中銀の金融政策を踏まえた黒田総裁の見解などにも注目して取引に臨みたいです。

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