近づくFOMC、米指標に注目
-前日サマリー-
東京市場は、前日NY市場の流れを引き継いでスタートし、ドル円は終始上値の重い展開となりました。本邦勢の本格参入前に109.74円まで値を戻したものの、日経平均株価の軟調な動きを受けてリスクオフの円高が進行、クロス円全般でじり安に推移するなどドル円の戻りも限られました。欧州市場でも大きく流れは変わらず、円高とドル安が交錯する中で欧州株やダウ先物がさえない展開をみせると円買いの様相が全面的に押し出されました。米10年債利回りの低下も重なりドル円は一時109.11円付近まで下落、およそ1か月ぶりの安値水準を付けました。ただNY市場に入ると、9月米NY連銀製造業景気指数が市場予想を大きく上回る強い結果となったことでドル円は反発、米10年債利回りの回復も支えとなって109.42円付近まで持ち直しました。その後はダウ平均の堅調推移に伴って市場の過度なリスク回避姿勢が後退、円売りがやや優勢となる中でドル円は底堅さを見せましたが、前営業日比では30銭程度のドル安水準となる109.36円で取引を終えました。
-米指標に注目-
本日のイベントは、NZ第2四半期GDP、豪失業率、欧ラガルドECB総裁発言、米小売売上高/新規失業保険申請件数/フィラデルフィア連銀景況指数が予定されています。
連日イベントが豊富ながら同時刻に予定されている米指標を受けた展開、特に米小売売上高への注目度は高くなっています。足元では14日の米消費者物価指数(CPI)がインフレのピークアウトの兆候を示したことで、早期テーパリング観測後退が意識された他、FRBの慎重姿勢は継続するとの見方につながっています。仮に指標結果が市場予想を下回った場合には、米景気後退やテーパリング観測後退の更なる懸念につながる可能性もあり、ドルの方向感と来週のFOMCに向けては重要な局面となりそうです。