リスクオフの流れに押されるポンド、英小売売上高に注目
-前日サマリー-
FOMC議事録公表からドル売りの流れが強まった前営業日NY市場から一転、東京市場では再度リスクオフのドル買いの動きが拡大、ドル円は早々に110円台を回復しました。東京序盤は株安に伴ったリスク回避の円買いも同時に観測されましたが、日米株価指数の動きが落ち着くと次第に円売りにシフト、ドル円は昼過ぎに110.22円まで上値を伸ばすなど13日以来の高値水準でした。一方で対円のドル高に連動するようにユーロドルは下落、年初来安値を更新し一時は1.166ドルまで下値を広げる格好となりました。ロンドン市場に入ると、欧州株やダウ先物などの下落を受けたリスク回避の円買いが全般強まってドル円は失速、109.48円と前日安値付近まで下落した他、米10年債利回りの低下も相場を重くしました。ただリスクオフムードの高まりによる円高基調に対してドル買いも一定の強さを見せており、円、ユーロ、ポンドなど複数の主要国通貨に対する米ドルの価値を指数化したドルインデックスは年初来高値を更新するなど高値圏で推移、ドル高圧力加速もうかがわせる展開でした。NY市場では、米新規失業保険申請件数及びフィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表されるも強弱入り混じる結果となったことで影響は限定的でした。他方、米景気先行指標総合指数については、前月比で予想を上回る上昇となったことでその後の相場をある程度下支えし、ドル円は109.83円まで持ち直したもののその後はもみ合い、やや下げて109.76円で取引を終えました。
-リスクオフの流れに押されるポンド、英小売売上高に注目-
本日のイベントは、日全国消費者物価指数、英小売売上高、加小売売上高が予定されています。
注目は英7月小売売上高で市場予測では前月比で0.2%、前年同月比で5.8%の鈍化が見込まれています。足元では新型コロナウイルスの感染再拡大やアフガニスタン情勢を懸念したリスク回避の動きが顕著ながらも時間帯によってやや市場の反応が異なる印象もあり、難しい局面といえます。加えてリスクオフに伴う円買いやドル買い優勢の展開の中、欧州通貨売りや主要通貨の中ではリスクに敏感なポンド売りの流れが見受けられ、前日ポンド円は151円台割れから149.63円まで一時下落、ポンドドルも終始軟調な展開でした。前日、欧州時間には目立った指標も無く、市場のリスクオフの流れそのままにといった印象でしたので、本日の小売売上高がポンドの動意につながる展開に期待したいです。