FXレポート

FOMCの注目点 テーパリングと米国経済見通し

-前日サマリー-
 東京市場では、ドル円は110.37円でスタート、FOMCの結果公表を控えたポジション調整の動きがある中で、東京都のコロナ新規感染者数が3000人越えとのヘッドラインを受けてリスク回避的な動き、ドル円は110.00円まで円高になりました。欧州市場では、IMFが発表した世界経済見通しで英国の2021年の成長率を5.3%から7.0%へ上方修正したことを材料にポンドが買われ、ポンド円は151.73円から152.52円まで上昇しました。ニューヨーク市場では、対ポンドのドル売りが他通貨ペアの動きにも波及してドル円は109.59円までドル安進行、その後は自律反発の動きでドル円は109.78円で取引を終えました。

-FOMCの注目点 テーパリングと米国経済見通し-
本日のイベントは、日銀の主な意見公表、豪消費者物価指数、カナダ消費者物価指数、露失業率、米FOMC2日目・政策金利・声明発表、パウエルFRB議長定例記者会見、米IT大手決算発表が予定されています。
 特に注目すべきは、FOMCの結果となります。前回(6月)のFOMCでは、政策メンバーの将来の金利見通し(ドットチャート)の中で、2023年の金利予想中央値が0.125%から0.625%へ上方修正、2023年までに2回の利上げが予想される内容でした。タカ派サプライズを受けてドル円は、結果発表時刻から翌日の東京時間にかけて約1円ドル高に動きました。
 今回の発表では、テーパリング議論の進展具合と、FRBの米国経済に対する評価に注目しています。FRBの新規資産買入の縮小であるテーパリングについての考え方は、政策メンバーの中でも意見が割れている状況です。テーパリングの具体的な内容のヒントは来月末のジャクソンホール会議の時期から出てくるのではとの予想がされていますが、パウエルFRB議長会見中の質疑応答などでヒントがあればマーケットが動意づく材料となる可能性があります。また、6月会合時と比べて米国のパンデミックの状況は悪化しています。100万人当たり新型コロナ新規感染者数は、6月17日時点で36人だったのが足元では173人と約5倍になっています。この点を受けてFOMCの結果やパウエルFRB議長の会見でハト派的なメッセージがあれば、前回会合とのギャップからドル売りとなる可能性もあります。今後の米金融政策の最重要テーマのテーパリングと米国経済状況に対するFRBの考え方について注目して、今夜は取引に挑みたいです。

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