ECBの動向に注目の1週間
-前週サマリー-
先週の為替市場は指標や要人発言に敏感な相場でした。
米消費者物価指数が市場予想を大きく上回る強い数値を出したことから米長期金利が上昇、ドル高の流れが継続してドル円は週高値の110.69円をつけました。しかし、翌日はパウエルFRB議長の議会証言の原稿がハト派寄りと受け止められると一転してドル売りの流れとなり、週安値の109.71円までドル安が継続しました。週末の日銀政策決定会合は市場予想の通りの結果で動意薄、米小売売上高は前月比で市場予想-0.4%に対し+1.3%と好調な結果を見せたものの、直後に発表されたミシガン大消費者信頼感指数が予想以上の悪化でリスクオフムード、円買いが進行しドル円は110.75円で取引を終えました。
-欧州に注目の1週間-
今週は、ECB政策金利、欧米各国のPMIなどが予定されており、欧州が主役の一週間になりそうです。
ECBは先日の特別会合でインフレ目標を2%に引き上げ、必要ならオーバーシュートを容認することで合意しました。22日の政策声明でもこの合意が考慮される予想です。しかし、先週末に「ECBは22日の理事会で金融政策の方向性を示すフォワードガイダンスの変更をめぐって意見が対立している」という報道がありました。タカ派メンバーとハト派メンバーの間に距離があるようで、新たな戦略がどのように政策に組み込まれるのか市場予想にばらつきが出ると予測されます。ECB会合に向けて思惑が錯綜するとサプライズに感じる市場参加者の数も増えると思われるため、欧州通貨を中心に動意づく相場に期待して取引に挑みたいです。