PEPPの今後の運用はどうなる
-前日サマリー-
東京市場のドル円は、日経平均株価が500円超の大幅安になったことを受けリスクオフの円買いが優勢になり、20日安値107.97円を下抜けて当日安値となる107.87円まで下落しました。一時108.11円まで戻しますが、「東京都の緊急事態宣言は4月29日~5月9日で調整」などの一部報道に加えて日経平均株価が下げ幅を拡大したことなどを背景に円買いが継続、当日安値圏まで再度下落しました。欧州市場では米10年債利回りが上昇したことからドル買いが優勢になり108.28円まで上昇しますが、ダウ先物が下げに転じたことを確認するとリスクオフの円買いが目立つようになり107.98付近まで下落しました。NY市場では強い方向感を示さないまま、108.10円前後でのもみ合い相場となり108.06円で取引を終えました。
-PEPPの今後の運用はどうなる-
本日のイベントはECB政策金利発表、ラガルドECB総裁の会見と米新規失業保険申請件数が予定されています。今回のECB理事会では政策金利の据え置きが見込まれていますが、焦点はパンデミック緊急資産買入れプログラム(PEPP)の今後の運用に対する見解となるでしょう。前回の理事会でユーロ経済の回復具合によっては今年7月までにPEPPを段階的に縮小することが可能になるとの見方もあったため、今回の理事会ではその検証が行われる予定だとの見方がマーケットに出ています。しかし、ここ最近のユーロ圏ではフランスで3度目のロックダウンが開始されるなど新型コロナウイルスの感染拡大が目立っています。したがってECBによる現在の緩和姿勢が長期化する可能性を示す内容が声明やラガルドECB総裁の会見で確認された場合、ユーロ圏経済に不透明感を醸し出す結果となりユーロ売りにつながる可能性があるため、発表時には警戒が必要となります。