資源国通貨高の流れと注意すべきイベント
-前日サマリー-
東京市場では、米長期金利が低下し日米金利差の縮小観測から円買いドル売りが進みドル円は一時108.76円まで下落しました。その後、欧州市場では円買いは一服しドル円は109円台まで反発しました。NY市場では、オープン前に発表された米金融大手の好調な決算結果を受けて主要国の株価先物指数は堅調な動きとなりました。ただ、昨日上場したコインベースの値動きがやや意識される格好で米国株価指数が軟調な展開となると、ドル円も下落基調になり108.90円で取引を終えました。
-資源国通貨高の流れと注意すべきイベント-
本日は黒田日銀総裁発言、豪雇用統計(3月)、トルコ政策金利、米小売売上高、米新規失業保険申請件数が予定されています。足元で原油高が進行中で、WTI原油先物価格は昨日4.4%高の62.88ドル近辺で推移しています。今月12日にイエメンの親イラン武装組織のフーシ派がサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの石油施設を攻撃したことによる原油供給の悪化懸念をはじめ、昨日はウクライナ国防相の「ロシアはクリミア半島に核兵器配備を準備している」との発言から地政学リスクが意識されたことが背景にあります。為替市場では豪ドルをはじめとした資源国通貨に対してドルが売られ、対円でのドル売りに波及したとの見方もあります。足元で資源国通貨高の流れが継続するかは原油高が継続するかを合わせて考える必要がありそうです。
-トルコ政策金利は注意-
本日についてはトルコ中銀の政策金利発表と声明にも注意が必要です。今会合では政策金利が据え置かれるとの見方が多いです。トルコ中央銀行は先月利上げを行いましたが、エルドアン大統領が中央銀行総裁を解任しトルコリラの大幅安の動きがありました。新しく任命されたカブジュオール新総裁は2月に金融引き締めに批判的な発言をしたことがある一方で、就任以降は投資家や銀行に対して物価が高いため金利を高水準に維持する必要があるとのスタンスを示しました。可能性としては低いですが金利変更があった場合には、トルコリラ相場の急変が想定されるため、ポジションを調整しながら取引に挑みたいです。