株式市場からリスク許容度を測る一日
-前日サマリー-
東京市場では、日経平均株価の上昇と米10年債利回りの上昇に歩調を合わせるように、ドル円は一時109.75円まで円安ドル高が進行しました。しかし、欧州市場ではNYタイムズ紙が「米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンの新型コロナワクチンについて血栓発生を理由に接種停止を呼びかける」と報じたことで急激にリスクオフムードが強まり、ドル円は109.13円まで下落しました。NY市場に入っても米30年債入札が好調な結果だったことから米長期金利は総じて低下、米10年債利回りも1.9bp程下落したことでドル安が加速し、ドル円は一時109.05円近辺まで下落して取引を終えました。
-株式市場からリスク許容度を測る一日-
本日はニュージーランド政策金利・中銀声明発表、黒田日銀総裁発言、ラガルドECB総裁発言、パウエルFRB議長発言、米地区連銀経済報告(ベージュブック)が予定されています。また米株式市場では金融大手のJPモルガンチェース、ゴールドマンサックス、ウェルスファーゴの決算発表と、コインベースのナスダック市場上場が予定されています。
米10年債利回りは昨年下旬ごろから上昇を続け、足元では1.62%近辺で推移しています。併せて日米長期金利差は今年の1月に1.0%を超え足元では1.52%となっています。日米長期金利差が広がっている場面ではヘッジファンドなどの円キャリー取引(低金利通貨である円で資金調達して海外資産に投資をする)が増加し、海外の株式・債券市場の値動きと円相場が似た動きになることが考えられます。本日は米株式市場に上場している金融大手企業の決算発表が予定されており、3月末から市場の関心が高いアルケゴス・キャピタル・マネジメントにかかる企業業績への影響がどれほどの規模だったのか答え合わせを行うという意味もありそうです。また、暗号資産取引所大手のコインベースのナスダック市場上場も今夜予定されており、その期待からビットコインは約700万円の史上最高値を更新した水準で推移しています。本日はマーケット全体のリスク許容度が株式市場の動向を左右しそうなことから、欧州時間からNY時間にかけてのヘッドラインに注目しながら取引に挑みたいです。