FXレポート

欧州通貨高、ユーロ高とポンド高の違いは?

-前日サマリー-
 東京市場では日本20年国債の順調な入札結果を受け金利低下、安心感から円は売られドル円は108.81円まで上昇しました。欧州市場ではECB理事会への警戒に加え、日銀関係筋が次回政策決定会合で長期金利引き下げに向けた声明を発表すると伝わり円高展開からスタート、ECB声明では「次の四半期に資産購入ペースを大幅に高速化する」と発表されるとユーロ安の展開となり、直後の会見でラガルド総裁がイールドカーブコントロール実施を否定し「リスクはより均衡した」との見方にユーロ高で反応するダイナミックな値動きとなりました。NY市場では、新規失業保険申請件数が市場予想より良好な結果となりNYダウ、S&P500が最高値圏で推移するリスクオンの地合いが続き、米30年債入札も無難に通過したことからリスクオンが加速、欧州通貨が買われユーロドルは1.1983ドルで取引を終えました。

-欧州通貨高、ユーロ高とポンド高の違いは?-
 本日のイベントは英国内総生産(GDP)、カナダ雇用統計、米卸売物価指数、米ミシガン大学消費者態度指数が予定されています。特に注目すべきイベントは、英国内総生産(GDP)となります。昨日はECB理事会の開催を受けて独10年債利回りは一時-0.36%まで低下、イタリア10年債利回りは0.65%から0.58%まで大きく低下し、ユーロ円は130.01円の2018年11月の高値を回復しました。一方で、英10年債利回りは一時0.74%まで上昇し、金利上昇を伴うポンド高という形で、ポンド円は151.79円の2018年4月ぶりの高値を回復しました。ユーロがECBの今後の動きへの期待から買われた一方で、ポンドは金利上昇を材料に買われたともとらえられるかと思います。足元のイギリスの状態は、先月22日にジョンソン首相が発表したロックダウンの段階的緩和を発表した一方で、英スナク財務相は2023年に法人税を25%へ増税する考えを発表しています。好調な材料が出た際に欧州通貨の中でもユーロとポンドのリアクションに違いが出てくる可能性があります。今回の1月の英GDPは前月比で-4.9%の予想(前回+1.2%)前年比で-10.9%の予想(前回-6.5%)となっています。今回のGDPの結果を受けた反応に注意しながら取引に挑みたいです。

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