経済指標の王、雇用統計
-前日サマリー-
昨日のドル円は一時107.97円まで上昇し、108円目前に迫りました。上昇の値幅は1円近くとなり、非常に強いドル買いだったことが分かります。この急騰の要因としては、足下の金利急上昇に対する金融当局としての具体的な言及がなされなかったパウエルFRB議長の発言への失望感が広がったことが挙げられます。10年債利回りは1.5%を超え、ドルも上昇、米株市場では売り圧力が強まりました。
-今月の雇用統計は一味違う-
本日は米雇用統計の発表が予定されています。昨日、パウエルFRB議長は発言の中で雇用に対して楽観的な見方を示しました。本日の雇用統計では金利上昇の背景にあるインフレ期待の再確認をすることになります。先行指標は強弱入り混じっており、市場コンセンサスも調査主体によって大きくバラツキが出ています。今後、ワクチン接種の拡大とバイデン政権下での大規模財政出動が経済を急ピッチで回復させていくと予想されます。そうなれば労働市場の需給センチメントは大きく改善する事でしょう。
ここ数か月の雇用統計が空気のような存在感であったことは否定できませんが、本日の雇用統計は結果次第でマーケットは大きく反応することが考えられます。ポジションの管理についてはいつも以上に細心の注意を払う必要がありそうです。