リスクオフ相場に突入か
-前日サマリー-
東京市場のドル円は東京都の新型コロナウイルスの新規感染者が500人超の過去最多を記録したことを受けて、日経平均の下落に伴って103.71円まで下落しました。ただ、欧州市場に入ると、欧州株式の株安でリスク回避的なドル買いが強まるとドル円は104.21円まで反発しました。NY市場ではシューマー米上院院内総務(民主党)の「マコネル上院院内総務(共和党)が経済対策の交渉再開に合意」との発言をきっかけにリスクオフの巻き戻しでドル売りが散見されるとドル円は再び103.76円まで反落し取引を終えました。
-リスクオフ相場に突入か-
本日のイベントは英小売売上高、ラガルドECB総裁の発言、加小売売上高、米ダラス連銀総裁の発言と週末にしてはやや盛り上がりが欠ける内容です。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大にブレグジットや米大統領選などヘッドラインを賑わす材料は揃っています。新型コロナの感染拡大は欧州をはじめ米国でも連日話題になっています。そういったなか、本邦でも感染者拡大で自粛活動に入るのではとの見方から日経平均が下落しており、投資家のリスク姿勢を後退させています。このままリスクオフ相場に突入するかは感染者の推移や経済指標の動向によるため、意識して数字を押さえておきたいです。
ブレグジットは昨日バルニエ欧州連合離脱首席交渉官が「私のチームの交渉担当者の1人が新型コロナウイルス検査で陽性だった」
「ブレグジット交渉を短期的に中断することを決定」と発言したことをきっかけにポンド売りが強まりました。ただ、その後に19日にオンラインでEU首脳会議が開催されるとの報道が伝わり戻していますが、これまでに英国とEUの交渉に関しての進展はありません。このまま、貿易協定が結べず移行する可能性が高くポンド安が意識される展開になっています。
米大統領選はバイデン氏が選挙で勝利を収めたものの、トランプ大統領側の敗北宣言は伝わってきていません。これはトランプ大統領側は集計において不正があったのではとして、州ごとに再集計の訴訟を行っており、まだ決着がつきそうな雰囲気はありません。懸念材料としては、新型コロナウイルスの感染拡大が伝わるなか、政治的な空白による財政支援の遅れが懸念されています。今のところ指標の悪化などで材料視されていませんが、政治紛争が長く続くようであればダウンサイドのリスクを強めておきたいです。