ワクチン期待から感染拡大リスクへ
-前日サマリー-
東京市場は東京都の新型コロナウイルスの感染者数が過去最多を記録したことをきっかけにリスク回避的な円買いからドル円は104.20円から103.95円付近まで軟化しました。その後、米製薬大手ファイザーが開発中の新型コロナワクチンが最終分析での予防効果が95%に達したとの報道が伝わると再び104円台を回復したものの、上値の重さからジリ下げの展開になりました。NY市場ではウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が「財政支援策なしとなれば今後数カ月で経済活動が減速する可能性」と発言したことをきっかけにドル円は一時103.62円まで下落し103.85円付近で取引を終えました。
-ユーロドルをターゲットに-
本日のイベントは豪失業率、トルコTCMB政策金利、南アSARB政策金利、米新規失業保険申請件数、米景気先行指数と重要なイベントの発表が複数控えています。新興国通貨トルコリラの金利発表の予想は4.75%の利上げとなっており、サプライズ発表が多い指標だけに警戒したいです。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大が本邦でも取り沙汰されており、投資家のリスク姿勢を後退させそうです。現在はワクチン期待を背景にドル売りが進んでいますが、感染拡大による景気後退が意識されると巻き戻しが起こりそうです。テクニカル面では時間足のユーロドルが1.1890ドル辺りでのダブルトップを形成しネックラインの下限となる1.1850ドルを下抜けるポイントに差し掛かっています。このまま地滑り的にズルズルと行く可能性も考えられ、注目してみたいです。