デッドヒートだけじゃ終わらない
【本日のトレードポイント】
-一寸先が闇の大統領選-
大統領選は混沌としています。(本レポート執筆時点で)両氏が獲得した選挙人の人数はバイデン氏が264人、トランプ氏が214人とバイデン氏が大きくリードしており、270人のボーダーに王手をかけている状況です。昨日の開票開始後から日本時間夜にかけてはトランプ氏がまさかの優勢と報じられましたが、未明にかけては再度バイデン氏が優勢となる展開となりました。ミシガンやウィスコンシン、ミネソタといった激戦州を次々と陥落していっています。(本レポート執筆時点で)集計が残る州は、ジョージア(16)、ノースカロライナ(15)、アラスカ(3)、ペンシルバニア(20)、ネバタ(6)(括弧内は選挙人人数)となっており、マーケットや報道各社の予想は殆どがバイデン氏勝利としています。しかし、トランプ陣営は複数の州で選挙の再集計要求や訴訟を行うとしており次期大統領が確定するのには時間を要しそうです。現時点で、バイデン氏が抑えたウィスコンシン州に再集計を要請、ミシガン州に対して集計停止の訴訟(集計終了しましたが)、ペンシルバニア州でも法的措置の準備をしていると表明しています。
「投票に負けて、勝負に勝つ」にシフトしたトランプ陣営のしぶとさがうかがえます。法廷闘争となればマーケットがリスクシナリオとしていた政治的空白の長期化および混乱の拡大が現実味を帯びてくるため注意が必要です。
同時に重要視されている議会選も番狂わせが起きています。下院を民主党が過半数を抑えているのはコンセンサス通りです。しかし、上院は共和党が抑える可能性が高くなっており、マーケットが同時にリスクシナリオとしていたねじれ議会現象も現実味を帯びています。
昨日のマーケットの反応は株高・ドル安の流れとなっています。一昨日まではトリプルブルー(大統領・上下院全てが民主党)がマーケットコンセンサスとなっていて、バイデン氏の大規模景気対策への期待で大幅上昇していました。逆にトランプ氏優勢・上院を共和党が抑えるとなったら今度はバイデン氏の増税案がなくなる点などで再度大幅上昇しています。もはや買うための理由を探しているだけのようにも見える何でもありのマーケットと言わざるを得ないです。
-選挙だけではない、材料多数-
本日はFOMC政策金利発表をはじめBOE政策金利発表や各中銀の発言が予定されています。大統領選の裏で身動きがとりにくい状況なだけに大きく反応を示しにくいかも知れませんが、各国で量的緩和がコンセンサスとなっているだけにサプライズがあれば反応せざる得ません。
1日を通してヘッドラインが溢れ返りそうですが、いつも以上に慎重にトレードを行っていきたいです。
-FOMCメンバー欠席-
FRBによるとカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は子ども誕生のため、今回のFOMCを欠席すると発表がありました。投票は代わりにデーリー・サンフランシスコ連銀総裁が行うとのことです。ネガティブな話題が多い中、明るい話題もあるようです。